ウクライナ大統領府、ゼレンシキー大統領のドイツ訪問時の首脳会談を総括
20日、ウクライナ大統領府は、19日のゼレンシキー大統領によるミュンヘン安全保障会議出席時の会場での各国の首脳などとの会談について報告した。
ウクライナ大統領府広報室が伝えた。
発表には、ゼレンシキー大統領は、ジョンソン英首相、ラデフ・ブルガリア大統領、ハリス米副大統領、ショルツ独首相、フォンデアライエン欧州委員長、マルパス世銀総裁と会談したとし、またマクロン仏大統領と電話会談を行ったと書かれている。
ジョンソン英首相との会談
ゼレンシキー大統領は、ウクライナの独立と領土一体性への支持、英国による防衛支援供与に謝意を表明した。ゼレンシキー氏はまた、東部におけるウクライナ側への集中的な挑発的砲撃、更なるエスカレーション・侵略を正当化するための大規模偽情報キャンペーンにつき報告した。
ゼレンシキー氏は、「今は私たちの歴史における非常に危険な瞬間だ。ロシアがウクライナに侵攻したら、それは欧州、ウクライナ、そしてロシアにとっての惨劇となる。私は、この会議の一人一人がウクライナとの団結、支持、連帯を望んでいると思う」と発言した。
また同氏は、ジョンソン氏に平和的情勢解決プロセスの活性化に向けたウクライナの最近のイニシアティブについて報告した。同氏は、「私たちの立場は明確で普遍だ。政治・外交的手段による情勢の解決が、私たちにとって最優先課題であり続けている」と発言した。
ハリス米副大統領との会談
ゼレンシキー氏は、ハリス米副大統領に、新たなエスカレーションを防ぐための米国の対話と努力につき謝意を伝えた。
ゼレンシキー氏は、ウクライナ東部の情勢を報告した。両者は、平和的情勢解決の最近の行動と全ての協議フォーマットの作業活性化につき協議した。
またゼレンシキー氏は、ロシア抑止のための予防的(制裁)パッケージ発動と、ウクライナのための新しい効果的な安全保障の作成が必要だと主張した。また、ウクライナの防衛力強化と安全保障支援の供与について注意が払われた。
ショルツ独首相との会談
ゼレンシキー氏は、ショルツ氏に、ウクライナが受けている先例のない安全保障場の挑戦に鑑み、ウクライナの防衛能力強化の分野をはじめ、具体的支援の供与が重要だと強調した。
同氏はまた、ロシア抑止の予防(制裁)パッケージの発動の重要性を強調した。
両者は、ノルマンディ・フォーマットをはじめとする現存のフォーマットでの平和的情勢解決に注意を向けた。
フォンデアライエン欧州委員長との会談
ゼレンシキー氏は、ウクライナ周辺の最近の治安情勢、東部での最近の出来事、ウクライナによる平和的情勢解決プロセス活性化のイニシアティブを報告した。
両者は、和平プロセスの障害除去、安定の回復、あり得るロシア侵略エスカレーションの予防を目的とした政治・外交的努力へのコミットメントを確認した。
フォンデアライエン氏は、「今日、ミュンヘン安全保障会議では、ウクライナの独立と主権への強力な支持がある」と発言した。
ゼレンシキー氏は、EUがウクライナに供与している財政支援に謝意を伝えた。両者は、新しいマクロ財政支援プログラムの1回目となる6億ユーロのトランシュ供与に合意した。
マクロン仏大統領との電話会談
両者は、ウクライナ国境沿いと一時的被占領下ウクライナ領の安全保障場の脅威について評価と立場につき意見交換した。
ゼレンシキー氏は、ウクライナ側配置地点への集中的な挑発的砲撃、特にウクライナ人に死者を出した違法武装集団による自治体の砲撃につき報告した。ゼレンシキー氏は、「私たちは、それを冷笑的な挑発とみなしているが、しかしウクライナは挑発には乗っていない」と発言した。
両者は、ノルマンディ・フォーマットでの最近の方策と、ウクライナの招集した三者コンタクト・グループ(TCG)会合へ、ロシア側が出席を拒否したことをはじめ、平和的情勢解決問題を協議した。
ゼレンシキー氏は、「ロシアは、昨日と今日、TCG会合を拒否した。私たちは、同会合の速やかな開催を主張している」と強調し、ウクライナは今後も完全な停戦を支持し続けると補足した。
両者は、ロシアの侵略のエスカレーションを防ぐために、国際社会の更なる政治・外交的努力が不可欠だとの点で同意した。