モルドバ外務省、駐仏中国大使の「旧ソ連諸国の主権」への疑念発言につき「受け入れられない」
モルドバ外務省は、過去にソ連を形成していた諸国の主権に対して疑念を提示した盧沙野駐フランス中国大使の発言は「絶対に受けられない」とコメントした。
24日、ソコラン駐日モルドバ大使がツイッター・アカウントにモルドバ外務省のコメントを日本語で伝えた。
モルドバ外務省コメントには、「1991年に独立を宣言した国の主権に疑問を呈した中国大使の声明を聞いて、私たちは驚いている」と書かれている。
また、モルドバと中国が外交関係樹立以来の過去30年間、主権と領土保全に対する相互の尊重と支持に基づいて二国間関係を築いてきたことが喚起されている。
その上で外務省は、「フランスの中国大使の発言は絶対に受け入れられない。 中国当局からの公式見解の明確化を待っている」と強調した。
これに先立ち、盧駐フランス中国大使は、テレビ番組出演時に、ウクライナを含む、旧ソ連諸国の主権に疑問を呈する発言をしていた。盧氏はまた、ロシアによるクリミア占領についても言及し、その際、あらゆることは「問題をどの視点から見るか」によると述べ、さらに「あらゆることはそれほど簡単ではない」と述べていた。さらに、クリミアについては「最初はロシアだった」などとも発言していた。
この盧氏の発言の後、ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は、「全ての旧ソ連構成国は、国際法にて確認された明確な主権的地位を有している。詐欺的手段で国連安全保障理事会の席に座ったロシアを除く。何千年の歴史にこだわる国の代表者から、めちゃくちゃな『クリミアの歴史』について聞くというのはおかしなことだ」とコメントしていた。また、同氏は、「偉大な政治のプレイヤーになりたければ、ロシアのアウトサイダー・プロパガンダは真似しないことだ」とも指摘した。
オメリチェンコ駐仏ウクライナ大使は、盧大使は地理の理解に問題を抱えているのではないかと述べた上で、同発言は中国の公式の立場に反するものだと指摘した。
また、バルト諸国政府は、盧氏の発言を受けて、各国外務省代表者を召喚する意向を表明している。