サンドゥ・モルドバ大統領、ロシアによるモルドバ内政不安定化を非難
モルドバ共和国のサンドゥ大統領は、モルドバのガガウズ自治区の首長選挙を前に、ロシアがモルドバの内政に介入しているとして非難した。
ロイター通信が報じた。
なお、最近モルドバは、親露的住民の多いガガウズ自治区へ向かおうとしていたロシアの地域代表団の入国を禁じた。ガガウズ自治区では、30日に首長選挙が予定されている。
ロシアから入国しようとしていた代表団は、同国のミンニハノフ・タタールスタン首長が率いていたが、同氏のモルドバへの入国は認められなかった。
サンドゥ・モルドバ大統領は、「私たちは、あきらかな介入を目にしている。彼は、選挙の候補者の1人を支持するためにガガウズ地区を目指していた。残念ながら、そこの候補者の多くはロシアのエージェントであり、ガガウズ地区の人々のために働きたがっている政治家ではない」と発言した。
モルドバ政権は、同国の情勢をロシアが不安定化させようとしているとして非難している。
サンドゥ大統領は、ジュルナルTV出演時に、「ロシアは私たちの主権と独立を尊重していないし、尊重したことは一度もない。そして今、モスクワは、私たちの欧州路線を邪魔し、混沌を煽るべく、モルドバ情勢を不安定化させようとしている」と発言した。
なお、モルドバ政権は、ロシアによるウクライナへの全面侵攻を非難している。モルドバ経済はロシアの天然ガス供給へ依存していたことから、同侵攻はモルドバ経済に影響をもたらした。モルドバでは反政府抗議運動が発生したが、サンドゥ大統領は「ロシアに支配されている政治家を政権に戻すために」ロシアが抗議者や複数政党に資金援助をしていると述べてきた。
24日、欧州連合(EU)は、モルドバの安全保障分野の強靭性向上を目的に同国に「モルドバ共和国におけるEUパートナーシップミッション(EUPMモルドバ)」を設置した。ボレルEU上級代表は、「私たちは、ロシアによるハイブリッド行動によるモルドバ不安定化の試みの強化と継続を目撃している。今日、私たちは、EUによるモルドバの安全保障、領土一体性、主権を守る支援を強化する」と発言している。
3月、モルドバ、米国、ウクライナ、その他欧州の記者たちは、ロシアで作成された「対モルドバ影響力戦略」を入手し、その内容の分析報告を行っている。同報告よれば、クレムリンによるモルドバの政治的コントロール確率戦略に、モルドバの親露政党への支援や、政治的目的達成のためのモルドバの天然ガスなど対露輸出依存の利用も含まれているという。クレムリンはまた、モルドバへのロシア製品の大きな割合での輸出を維持し、親露世論の強いトランスニストリア地域やガガウズ自治区の企業の利益のためのロビー活動を行うことも計画していたと書かれている。
その他、ウクライナのゼレンシキー大統領は2月9日、最近、ウクライナの情報機関がロシアによるモルドバにおける政治秩序を破壊する計画の存在を明らかにしたとし、その情報をサンドゥ・モルドバ大統領に伝えたと発言していた。