ゼレンシキー宇大統領、中欧2国の大統領と会談 「ウクライナへの防衛支援にタブーはあってはならない」

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ウクライナのゼレンシキー大統領は28日、チェコのパヴェル大統領とスロバロキアのチャプトヴァー大統領と会談し、ウクライナへの防衛支援供与には、長射程武器や航空機を含め、いかなるタブーもあってはならないと訴えた。

ゼレンシキー大統領がパヴェル大統領とチャプトヴァー大統領との会談後共同記者会見の際に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

ゼレンシキー氏は、「私は、私たちの今日の会話の主要な結論の1つは、ウクライナへの安全保障支援には一切の防衛タブーがあってはならないという結論であるべきだと思っている。ウクライナに対するそれぞれの人為的な防衛制限は、ロシア連邦にとってはさらなるテロの可能性に過ぎない。私たちの戦士に最も重要なもの、命を守るために不可欠なものを全て供与することが全くの正義である」と発言した。

同氏はまた、それはとりわけ、最新の長射程武器、航空機、十分な数の火砲・弾薬に関わることだと指摘した。

そして同氏は、「私たちは、反攻に向けて準備をしており、それは皆が知っている。そのため、私たちの合意の詳細を話すことはしない」と発言した。

パヴェル・チェコ大統領は、同記者会見にて、チェコとウクライナは共同で武器、訓練用航空機を製造していき、戦車の修理を行っていくと発言した。

パヴェル氏は、「ウクライナやチェコの企業をベースに、共同製造を行う6つの重要なプロジェクトが準備された。(中略)具体的プロジェクトは、それは弾薬、小火器の製造、T-62などの戦車の修理に関わるもので、また潜在的な訓練用航空機の製造もである。私たちにとって、技術と製造を渡すことは、ウクライナ領で製造が部分的あるいは完全に実現できるようにするための優先課題だ」と発言した。

同氏はまた、そのような製造の最終的な結果として、チェコとウクライナの技術が考慮された製造が行われるようになることだと伝えた。

その他同氏は、チェコはウクライナ南部のドニプロ市とドニプロペトロウシク州のエネルギー、経済、ユソウインフラ、住宅部門の復興計画の作業に注力していると発言した。

チャプトヴァー・スロバキア大統領は、ウクライナの欧州統合に向けた支援も続けると発言した。同氏は、「私は、ウクライナがEU加盟候補国になったことを嬉しく思う。それは非常に重要だ。ウクライナが完全なEU加盟国になるには、真剣なプロセスの実現が不可欠だ。スロバキアは、そのプロセスができるだけ早く実現されるための支援とサポートにオープンである」と発言した。

同氏はまた、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟の展望については、「各国がどこに属したいか、何の一部になりたいかについて決定する権利を持っている」と強調した。そして、「この先、ビルニュス首脳会談が開かれる。そこでは非常に集中的な議論が行われる。ウクライナは現在戦時下であることから、何らかの具体的な結果に達することが非常に重要だ。同時に、サポートと具体的な支援も非常に重要だ」と発言した。

さらに同氏は、スロバキアによるウクライナのために「できることは全て行う」という立場は全くもって正しいと確信しているとし、「それは私たちの兄弟支援なのだ。平和とは、正義であり、平和と正義について話すだけでなく、そのために戦わねばならない。それは全ての文明世界が理解しなければいけないことだ」と強調した。

その他チャプトヴァー氏は、スロバキアとウクライナは、ウクライナの穀物輸出についてより緊密に協議すべきだと主張した。同氏は、「私たちは、(ウクライナの穀物の)輸送は一度も禁止していない。一定の方策は、植物検疫基準や穀物の品質に関するものであったし、それは他国の措置への対応だった」と発言した。

同時に同氏は、欧州委員会がウクライナのためにさらに1年無関税体制を継続する決定を採択したと伝えた。そして、「他の条件は、今後の協議の対象である。私たちは、ゼレンシキー氏とそのことや、私たちの政府がその問題をより緊密に議論するためのこと、両国の利益が保護されることについて話した」と発言した。

また、同日、3首脳は共同声明に署名した。

その他、3者は、同日のロシア軍によるウーマニとドニプロへのミサイル攻撃による死者を追悼すべく黙祷を行った。

写真:大統領府

なお、ポーランド、ハンガリー、スロバキア、ブルガリアは、一時的にウクライナからの穀物やその他農産品の輸入を禁止していた。ポーランドは、ウクライナ農産品のポーランド領を通じた輸送も一時的に禁止していたが、両国間政府の合意に従い、4月21日にから輸送は再開されている。

28日、パヴェル・チェコ大統領とチャプトヴァー・スロバキア大統領がウクライナを訪問した。両首脳は、ゼレンシキー大統領との会談前に、ブチャを視察していた。