ロシアによる損害の補償メカニズムは見つかっている=宇司法相

ウクライナのマリューシカ司法相は、ロシア連邦のウクライナに対する侵略戦争の損害を補償するメカニズムは見つかっていると発言した。

8日、マリューシカ司法相がテレビ番組「統一ニュース」出演時に発言した

マリューシカ氏は、「ロシアによりウクライナにもたらされた損害の補償メカニズムは見つかっている。昨日、東京でG7法相会合があったが、その重要議題はロシア連邦の侵略への法的対応だった。私たちは、国際同僚とともに共通の目的への完全な理解を有している。それがどうあるべきかという理解だ」と発言した。

そして同氏は、補償メカニズムは3つの重要要素から成ると指摘した。1つ目の要素は、全ての写真・動画の証拠、証言などを記録する損害登録機関の設置だと伝えた。

同氏は、「それはもう現在運用に向けた途中にある。国際損害登録機関という名前の国際機関が設置された」と発言した。また同氏は、40か国以上がそのメカニズムに加わっており、同機関の財政と機能を保障していると伝えた。ウクライナ側は、同機関が完成し、年末までに活動開始することを期待しているという。

続けて、マリューシカ氏は、補償メカニズムの2つ目の要素は、補償委員会の設置だとし、同委員会が各種の補償要求を検討し、補償の観点から、ロシア連邦が誰に何の責任がどれだけあるかを述べる役割を担うと説明した。

同氏は、「この点にも、同僚たちとの間に理解がある。問題は法的な形式だけだ。私たちは、議論の過程にある。今年の夏の終わり〜秋の始めに決定と議論が行われることを期待している」と発言した。

同氏は、3つ目の要素は資金の投入であり、それが最も困難だと伝えた。その際同氏は、資金問題は資金投入と被害額認定も決めるものだとし、現在凍結されている資金や、接収されている資産から出る資金は全て、関連の補償基金に向かうと指摘した。

その上で同氏は、「私たちは米国の同僚たちと作業をしている。彼らは、最近ロシアのオリガルヒ(大富豪)の1人の資産を接収した。そのような接収資金を、私たちは試験的に口座に移し、その後、その補償メカニズムが機能するようにするつもりだ。しかし、その額は、損害と比べると比較的少額だ。よって、私たちは、西側にあるロシア連邦の全ての資産を全て欧州して、それらを補償に当てられるようにするべく、作業を行っている」と発言した。

これに先立ち、5月17日、アイスランド首都レイキャビクにて開催された欧州評議会首脳会談にて、43か国と欧州連合(EU)の代表者がロシアの対ウクライナ侵略で生じた損害を記録する機関設置に関する合意文書に署名した。日本も同文書に、連合国ステータスで署名している。

また、7月7日、東京にて、G7司法相会合が開催され、ウクライナのマリューシカ司法相とコースチン検事総長がオンラインで参加した。同会合の成果として「東京宣言」が採択されている