ウクライナ政府機関による「国際戦争支援企業」指定は中国企業が最多

ウクライナのノヴィコウ国家汚職防止庁(NAPC)長官は、ロシアで事業を継続することで同国の戦争遂行能力強化に加担していると判断される企業「国際戦争支援者」のリストには、現在31の国際企業が加えられており、その内国別で最も多いのは中国企業だと指摘した。

ノヴィコウNAPC長官がウクルインフォルムへのインタビュー時に発言した(リンク先はウクライナ語)。

ノヴィコウ氏は、「現在、国際戦争支援者リストには、31の企業が加えられている。最も多いのは中国企業で、2番目が確か米国企業、続いて欧州の企業である。全ての国際企業が血塗られたロシア政権への資金提供を最終的に止めることになることを期待している」と発言した。

また同氏は、本件においてNAPCは、ワールド・チェック社と共同で活動していると述べた。同社のプログラムは、世界中の銀行や金融企業によって取引相手の確認のために利用されているものであり、プログラム上で「戦争支援者」リストに加えられていることが示されることで、相手企業からの信頼を失うことがあるという。

そして同氏は、「私は、このリストへの登録が生む影響の肯定的結果について指摘したい。ロシアとの協力を止めた企業があるのだ。例えば、海上に船を出しているアイルランドのペニンシュラ・ペトロリアム社だ。彼らは、戦争非難の声明を出し、ロシア犯罪政権へのサービス提供を拒否した。そして、私たちは彼らをリストから除外したのだ」と発言した。

これに先立ち、NAPCは4月13日、中国のスマートフォンメーカー「シャオミ(小米)」を国際戦争支援者リストに追加。6月23日には、中国の自動車製造企業ジーリー(吉利汽車)社を保有するジーリーホールディンググループを「国際戦争支援者」リストに追加したと発表していた

NAPCの国際戦争支援者リストは、オンラインで確認できる

なお、ウクライナのクレーバ外相は、ロシアの全面侵略開始を受け、これまで繰り返し、ロシアで事業を続ける外国企業は同国の戦争犯罪に資金供与をしていることになるとし、これらの企業をボイコットするよう改めて呼びかけている。