ウクライナの反転攻勢は新しい対露制裁の発動よりは速い=ゼレンシキー宇大統領

ウクライナのゼレンシキー大統領は8日、ウクライナの反転攻勢の歩みは、おそらく新しい対露制裁パッケージよりも速く、その攻勢速度はウクライナが強力な武器をどれだけ迅速に得られるかにかかっていると発言した。

ゼレンシキー大統領が第18回ヤルタ欧州戦略会議でのパネルディスカッション時の質問に答える形で発言した。大統領府広報室が伝えた

ゼレンシキー氏は、「戦争は鈍化している。そう、私たちはそれを認めている。制裁から武器供与まで、あらゆるプロセスが複雑化し、鈍化している…。パートナーの中には、反転攻勢はどうなっているのか、次の一歩はいつだ?と言う者がいる。私の返答は、現在の私たちの歩みはおそらく、新しい(対露)制裁パッケージよりは速い、というものだ」と発言した。

同氏はまた、ウクライナが強力な長射程武器を得るのが早くなればなるほど、反転攻勢と領土の解放も早くなると主張した。

そして同氏は、「重要なのは、私たちの戦士が前進していることであり、私たちの側に主導権があるということだ。私たちは、昨日の出来事と比較をすべきではない。私たちは、私たちの国家が占領されるという感覚のあった2月24日、皆が別の人生におかれていた時と比べるべきなのだ。現在、私たちは、自分たちの大地を多く解放している」と発言した。

同時に同氏は、ウクライナの領土一体性をできるだけ早く回復したいという人々の願いを理解しているとし、なぜなら、ウクライナ、欧州全体、世界全体の平穏と平和は、ウクライナが領土全てを取り戻した時に生じるからだと発言した。

同氏は、反転攻勢の加速には具体的な装備、とりわけ現代的戦闘機が必要だと述べ、「私たちの領土を1メートル1メートル解放することは、人命なのだ…。長くなればなるほど、より多くの人が苦しむ。武器は、抽象的ではなく、レトリックもなく、具体的かつ直接的に影響を及ぼす。武器が強ければ強いほど、長射程であればあるほど、反転攻勢はより速く進む。私たちの領土の解放がだ。私たちは空にいないのに、ロシアはいるのだ。彼らは、私たちを空から止めている。私たちの反転攻勢を止めている」と強調した。

他方で同氏は、米国を筆頭として、国際パートナーたちの防衛支援の供与につき謝意を伝えた。

なお、ウクライナでは現在ヤルタ欧州戦略会議が開催されている。

写真:大統領府