穀物問題がウクライナ・ポーランド関係を損なうことはない=ドゥダ・ポーランド大統領
ポーランドのドゥダ大統領は22日、穀物を巡るウクライナとポーランドの間の見解相違は両国関係の細部であり、それが両国間の協力全体に影響を及ぼすことはないと発言した。
ドゥダ大統領がポーランド・ポズナニで開催されたウクライナ復興会議「共通の未来」の演説の際に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
ドゥダ大統領は、多くの人が最近の報道や政治フォーラムで生じたウクライナとポーランドの間の出来事ややりとりを懸念を持って受け止めていると指摘した。
そして同氏は、「次のことを言いたい。私にとって、ウクライナとの協力、ウクライナ支援は歴史的意味を持っており、私はそのことを完全に真剣に述べている。(中略)私は、1つの政治・法的見解相違が私たちの作り上げた資本と遺産を打ち消すかもしれないなどということは思っていない。私は、ウクライナ穀物のポーランド市場への供給を巡る対立がポーランド・ウクライナ関係全体の全くもって些細な一部に過ぎないことに、全く疑いを抱いていない。私は、普通の条件下でそれが著しく影響を及ぼすとは思っていない」と強調した。
同氏はまた、それは「単に解決しなければいけないこと」だと発言した。
同時に同氏は、「その不愉快で、時々痛みを覚える発言」は「人間の側面から」見るべきだとし、なぜならそれらは全て、ウクライナの町や村へのロシアによる爆撃の最中、毎日戦争でウクライナの軍人が亡くなっている中で起きていることだからだと発言した。
そして同氏は、「多くの人の感情が昂っている時に起きているのであり、政治家もまた人間なのだ」と指摘した。
その他同氏は、ポーランド商業界に対して、ウクライナの復興プロセスに積極的に参画するよう呼びかけ、両国関係でしばしば生じる政治的対立に注意を向けないようにと発言した。
同氏は、ウクライナはロシア侵略者との戦争に勝利し、ロシアを被占領地から追い出さなければならないとし、ポーランドは戦争初期からウクライナを様々な側面で積極的に支えてきたと述べた。
また同氏は、ウクライナの友好国による国際支援のおかげでウクライナは「ポーランドとの間で何百年と続く友好と同盟の糸で結ばれて」、再建して繁栄していくだろうとし、「私はそれを深く信じている」と強調した。
なお、現在ウクライナとポーランドの間ではいわゆる穀物危機が生じている。9月16日、ポーランドは、欧州委員会の立場に反する形で、一方的にウクライナの穀物4品(小麦、トウモロコシ、ヒマワリ、ナタネ)に対する無期限禁輸措置を導入した。同時に、これら品目のポーランドの通過は認めている。
これに対して、ウクライナは、同国を世界貿易機関(WTO)に提訴すると発表。また、ポーランドの行為と同様の方策を導入する可能性も検討している。
21日、ウクライナ農業省は、ウクライナのソリシキー農業政策食料相とポーランドのテウス農業省と会談し、ウクライナ農産物の輸出問題につき協議を行ったと発表した。
2023年5月、欧州委員会は、ブルガリア、ハンガリー、ポーランド、スロバキア、ルーマニアの5か国の要請を受けて、ウクライナから5か国への小麦、トウモロコシ、ナタネ、ヒマワリの輸出を禁止していた。6月5日、同禁輸措置は2023年9月15日まで延長されていた。
その後、欧州連合(EU)は9月15日、ウクライナの農産物4品目を近隣EU加盟国5か国に輸入できなくする暫定措置を延長しないことを決定していた。