クレーバ宇外相、マルタ「平和の公式」会合を総括 参加国増を強調

ウクライナのクレーバ外相は、28、29日にマルタで開催され、ウクライナ提案の和平案「平和の公式」の協議が行われた首脳補佐官級会合につき総括した際に、過去数か月ウクライナの領土断念などを含む他の「和平案」は情報空間から消えていると指摘した。

29日、クレーバ外相がインスタグラム・アカウントに書き込んだ

クレーバ氏は、「平和の公式」会合に参加する国の数が増えていることを指摘し、「6月のコペンハーゲン協議の参加国は15か国で、8月のジェッダでは42か国、それが今回のマルタでは、66の国と国際機関を集めることができたのだ。(中略)この半年で、領土を断念するとか、何かを交換するとか、何らかの受け入れられないものをウクライナに提案していた多くの『和平』イニシアティブが情報空間から消えたことに注目してほしい」と発言した。

同氏はまた、現在あらゆる議論の中心にあるのが、ウクライナの提案する公正で真摯な「平和の公式」であり、議論は国連憲章と国連総会の重要決議の原則に完全に合致したものとなっていると指摘した。そして、これら議論につき「これは最初の非常に具体的な『公式』の結果である」と強調した。

さらに同氏は、マルタ会合は2つの「神話」を破壊したとし、「1つ目は、中東情勢の背後で、ウクライナに対する注意が消えた、というもの。2つ目は、いわゆるグローバルサウスの支持をウクライナがあたかも失ったというものだ」と指摘した。

その際同氏は、「参加国は増加し、欧州と北米の外の国も増えた。『公式』には皆のための場所がある。しかし、偽平和主義のための場所はない」と強調した。

また同氏は、平和の公式は「プラグマティックな文書であり、国連憲章の原則を実現するものだ」とし、ウクライナはその実現と「グローバル平和サミット」への準備のための作業を活発に行っており、同サミットでは「合意を確認し、その実現に移行することになる」と説明した。

なお、28、29日、マルタにて、露宇戦争に関するウクライナ提案の和平イニシアティブ「平和の公式」を協議する第3回首脳補佐官級会合が開催されていた。日本からは、秋葉国家安全保障局長が出席した。

写真:大統領