フォンデアライエン欧州委員長、ウクライナのEU加盟につき「欧州にグレーゾーンはあってはならない」
欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員会委員長は17日、ロシアの侵略はウクライナに対してだけのものではなく、西側の民主主義と価値対する攻撃でもあるのだとし、欧州の1つ1つの国がプーチンを支持するのか、民主主義の側に立つのかにつき選択をせねばならないと発言した。
フォンデアライエン欧州委員長がミュンヘン安全保障会議の際に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
フォンデアライエン氏は、「欧州の人々は、プーチンは止まらないとの理解に達している。私たちはプーチンを止めねばならない。彼には民主主義の不安定化と破壊のためにはるかに幅広いアプローチがあり、それは私たちの人々の核となる確信に関わることだ。しかし、欧州は、民主主義の価値の上に築かれたのであり、それは世界におけるユニークは平和的プロジェクトである。そして、それこそがプーチンやその他の専制主義者が攻撃しようとしているものである」と発言した。
また同氏は、欧州の人々は、ロシアのそのような振る舞いが今後さらに彼らの生活に影響を及ぼしていくことをいよいよ認識しているとし、それもまたウクライナのEUへの統合に関する行動へのより広範な支持の根拠となっていると指摘した。
同氏は、「その現在生じている加盟プロセスは大きな前進である。私たちは、欧州の周りにグレーゾーンがあってはならないと理解している。あなた方は、プーチンと一緒なのか、民主主義と一緒なのかを決めねばならない。専制主義者とあり続けるのか、私たちの価値を尊重するのかを。私たちは、ウクライナと西バルカンが私たちの欧州家族の中に入って欲しいと思っている。なぜなら、彼らはそこに属しているからだ」と発言した。
さらに同氏は、欧州の人々はロシアの侵略の初日からウクライナの人々への包括的支援を供与し続けており、400万人以上の難民を受け入れ、彼らに教育、医療、その他社会サービスへのアクセスを与えたと喚起した。
そして同氏は、EUは、ウクライナのための500億ユーロの支援パッケージを合意することで大きく一歩前進したと指摘し、またこれまでの2年間、EUとその加盟国はウクライナに対して総額880万ユーロ以上の財政、経済、軍事、人道支援を供与してきたと伝えた。
同氏は、ウクライナ支援の継続と関連法や財政パッケージの採択は米国の利益に合致するものだとし、なぜならそれはウクライナに対する戦争だけのことではなく、プーチンによる民主主義自体に対する不安定化の試みに関することだからだと説明した。
その上で同氏は、「全ての他の専制主義体制が、民主主義が強靭なのかどうか、団結し続けるのかどうか、コミットメントと覚悟を示していくのかどうかを非常に注意深く観察している。私は、確信しており、そのような覚悟を示す準備があるし、私たちの友人やパートナーもそれを有していることを知っている。問題は、民主主義がグローバルな次元でも勝てるのか、自らの価値を守れるのかという点にある。それへの私の回答は、可能だ、そうでなければならない、というものだ」と強調した。
写真:dpa