ロシアはモルドバの2つの地域を不安定化のために利用したがっている=米戦争研究所
米国の戦争研究所(ISW)は、ロシアは現在モルドバの情勢を不安以下させるハイブリッド作戦の遂行のために同国のトランスニストリア地域とガガウズ地域を利用するつもりだと指摘した。
ISWの3月7日付日報に書かれている。
ISWは、モルドバ南部ガガウズ自治地区のグツル首長が6日のプーチン露大統領との会談を含め、ロシア政権関係者と会談したことを伝え、プーチン氏が同会談時に「ガガウズ地域とガガウズ民族の国際情理での正当な権利、権限、立場を支持すると約束」したと報告した。
またグツル氏は、キリエンコ露大統領府副長官とも会談し、その際ガガウズ人が「社会的プロジェクトのために」ロシアの銀行口座を開設することの支援を求めたり、ガガウズからの製品への禁輸解除や露国営ガスプロム社との「優遇価格でのガス供給」の交渉を支援することを要請したという。
その上でISWは、「クレムリンが、最近モルドバの別の親露地域、非承認国家のトランスニストリアへレトリック上の焦点を当てた後に、ガガウズ地区との関係に注意を強めていることは、ロシアがハイブリッド作戦を正当化するためにこれら両地域を利用することを望んでいることを示し続けている」と説明した。ロシアのハイブリッド作戦とは、モルドバのEU加盟交渉と2024年後半の大統領選挙を前に、モルドバ社会を不安定化し、さらに二極化させることを目的としたものだと解説されている。
これに先立ち、ポプショイ・モルドバ外相は2月29日、同国の被占領下トランスニストリア地域ティラスポリで開かれた「全議員大会」がロシアに対して「支援」を求めたことにつき、それはハイブリッド戦争の要素であり、モルドバ情勢を不安定化させる試みだと発言していた。