ショルツ独首相、ローマ教皇の停戦見解に同意せず

ヘーベシュトライト独政府報道官は11日、ショルツ独首相はローマ教皇による、ウクライナは「白旗を揚げる勇気」を持って、ロシアとの停戦交渉を始めるべきだとの見解を共有していないと発言した。

ヘーベシュトライト報道官が記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

ヘーベシュトライトは、「ご存知の通り、首相は本件における教皇の見解を共有していない」と発言した。

また同氏は、ドイツ政府は教皇の発言だけでなく、バチカン政府による教皇の発言の解釈についても注意を向けたと指摘した。

その際同氏は、「ウクライナは侵略に対して自衛しており、そのために広範な国際的支持を有している、というのが真実である」と発言した。

さらに同氏は、ロシアのプーチン大統領が、ルールや国際法を一切守らないことを決めた上で、ウクライナに対して違法な戦争を遂行していることを喚起した。

その他、ベーアボック独外相も、テレビ番組「Caren Miosga」出演時に、ローマ教皇の発言につき「私はそれを理解していない」と驚きを表明している。

これに先立ち、バチカンのローマ教皇がスイスのテレビ局「RSI」でのインタビュー時に、ロシアの対ウクライナ戦争に関して、「白旗を揚げる勇気を持つ者が強い」と述べて、ウクライナに協議を呼びかける発言を行っていた。

その後、バチカンのブルーニ報道官は、教皇の「白旗」との表現は、記者に提案されたものであり、軍事行動の停止、停戦を意味するものだと説明していた。その際同氏は、教皇はウクライナの人々を支持しており、全ての当事者に「公正で永続する平和模索をする上で外交的解決のための条件を作る」よう呼びかけたと伝えた。さらに同氏は、教皇自身が同インタビュー時に「協議は決して降伏ではない」と述べたことも補足している。

​​ウクライナのゼレンシキー大統領は10日、ロシア軍が欧州を前進できていないのは、ウクライナの人々が青と黄のウクライナ国旗の下で武器を手にしてロシア軍を食い止めているからだと発言している

日本の林芳正内閣官房長官は11日、停戦交渉のあり方などウクライナの将来を決める交渉にいかに臨むべきかは、ウクライナの人々の意志によるものでなければならないとの見方を示していた