「誰も処罰からは免れられない」=EU、プーチン逮捕状発付から1年で声明
国際刑事裁判所(ICC)がプーチン露大統領に戦争犯罪容疑の逮捕状を発付してから、3月17日で1年が経過したことに関し、欧州連合(EU)はICCの活動への支持を確認するとともに、ウクライナにおける犯罪への全ての関与者の責任を追求することが、EUの重要優先課題であり続けると強調した。
ウィーンの欧州安全保障協力機構(OSCE)常設理事会会合の際にEUの声明が読み上げられた。
EUは、「ロシアの大統領選挙が終わった3月17日は、ICCがプーチン露大統領と児童問題露大統領全権の逮捕状を発付してから、1年が経過した日であった」と喚起し、その逮捕状はウクライナ児童のロシアへの違法な追放、ウクライナ児童を違法かつ一時的にロシアが占領するウクライナ領内での強制的移動という戦争犯罪の容疑だと指摘した。
またEUは、国連ウクライナ人権監視団、国連ウクライナ犯罪捜査委員会、ODIHRやOSCE「モスクワメカニズム」専門家ミッションの報告書といった、国際監視メカニズムが「その問題に関する証拠を見つけている」と伝えた。
そして、EUは、「ICCが発付した逮捕状は、ウクライナにおけるロシアの犯罪の実行者と共犯者は、処罰からは免れられないという明確なシグナルを送っている。私たちは、ICCの活動への完全な支持を確認するとともに、ロシアの対ウクライナ侵略戦争と関連して犯された全ての犯罪に関する責任追求と司法の保障は、EUにとって重要優先課題であり続けていくことを改めて強調する」と表明した。
これに先立ち、2023年3月17日、ICCは17日、ロシア連邦のウラジーミル・プーチン大統領と同国のマリヤ・リヴォヴァ・ベロヴァ児童問題露大統領全権の逮捕状を発出していた。
ICCの赤根智子所長は、今月共同通信のインタビュー時に逮捕状を出したプーチン露大統領につき、刑事責任を決して逃れることはできないとの認識を示している。