ロシアはウクライナの選挙問題関連の情報攻勢を強めている=偽情報対策センター

ウクライナの国家安全保障国防会議(NSDC)傘下偽情報対策センターは20日、ロシアがウクライナの選挙問題に関するプロパガンダ攻勢を強めており、ウクライナ政権はあたかも「正当性を失った」などと喧伝していると報告した。

偽情報対策センターがテレグラム・チャンネルで伝えた

報告には、5月20日以降ウクライナ大統領が「正当ではなくなった」かのようなテーマが、ウクライナ情勢を不安定化を目的とする大規模なロシアの情報心理作戦の重要要素の1つとなっていると指摘されている。

センターは、「ウクライナ国家元首の正当性の疑念は実際には存在しない。なぜなら、全面侵攻と戒厳令の下では、選挙プロセスは法に従っても、安全の面からも不可能だからだ。憲法第108条には、『ウクライナ大統領は、新たに選出されたウクライナ大統領が職に就くまで、自らの権限を遂行する』と明記されている。ウクライナ政権の合法性には、ウクライナの国際パートナーの間にも、一切問題となっていない」と説明した。

さらにセンターは、敵の印象操作に引っかからないように訴えた上で、ウクライナにおける公正で民主的な選挙は、全面戦争が終結し、戒厳令が解除されたらすぐに実施されると伝えた。

なお、2024年3月31日に、ウクライナでは次期大統領選挙が実施されるはずだったが、他方で、戒厳令法は、戒厳令下では大統領選挙、最高会議選挙、地方選挙の組織も実施も禁止している。

これに先立ち、今年3月、ウクライナ国防省傘下情報総局のユソウ氏は、ロシアがウクライナに対して今年の3〜5月に実現を目指すとする特殊作戦「マイダン3」に、クレムリンがセルゲイ・キリエンコ露大統領府第一副長官やウラジスラフ・スルコフ元大統領補佐官などを関与させること決めていると報告していた。ロシア側は、6月前半にはウクライナ情勢を動揺させることに成功し、その状況を使う形で、ウクライナ東部でウクライナを軍事的に敗北させることを考えているのだという。

また、2月には、米ワシントンポスト紙も、欧州情報機関が入手したクレムリンの情報工作に関する内部文書を入手・調査した記事を公開している