プーチンはスイスで開催される「平和サミット」を破綻させようとしている=ボレルEU上級代表

欧州連合(EU)のボレル外務・安全保障政策担当上級代表は27日、プーチン露大統領は和平協議について話しながら、ウクライナの民間インフラや市民への残虐な攻撃を継続し、スイスで開催される「平和サミット」を破綻させようとしていると指摘した。

ボレルEU外務・安全保障政策担当上級代表がブリュッセルで開催されたEU外務理事会会合後の記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

ボレル氏は、「プーチンは和平協議について話しているが、彼の軍はハルキウに対してさらなる攻勢を開始した。彼らは人口密度の高い民間の建物を砲撃し、スイスで開催予定の『平和サミット』を破綻させようとしている。私たちはウクライナが要請し、スイスが組織するその『サミット』を支持せねばならない。『サミット』の目的は将来の和平プロセスを促進することにある。私たちは、そのイベントへのできるだけ広範な参加に向けて作業している」と発言した。

同氏はまた、ロシア軍のウクライナに対する大規模攻撃の被害の1つが電力ネットワークへの甚大なダメージであり、それにより住民がしばしば停電に見舞われていると指摘した。

そして同氏は、「それは現在、大きな悪影響をもたらすし、残念ながら、次の冬にも大きな影響をもたらすだろう。私たちは現在夏に近付いている。しかし、ロシアに壊された発電所や電力設備の数は増え続けているのだ」と発言した。

これに先立ち、スイス政府は4月10日、今年の6月15、16日に、ロシアからの全面侵略を受けるウクライナの平和達成を目指す「平和サミット」を主催すると発表していた。アムヘルト・スイス大統領は、同サミットでは人道、核安全保障、航行の自由、食料安全保障という4つの議題が提起されると述べている。

ゼレンシキー大統領は27日、「平和サミット」にはすでに90か国が参加を認めているとしつつ、ウクライナは世界の首脳たちとさらに参加国を増やすための作業を続けていると発言した