ウクライナはEU加盟交渉開始のための全ての条件を履行した=欧州委員会

欧州委員会は7日、欧州連合(EU)加盟交渉開始に向けたウクライナとモルドバの条件履行の進捗状況につき、大使レベルのEU常駐代表委員会(コレペール)に報告し、両国が全ての必要な措置を講じたとの結論を下した。

ピソネロ欧州委員会報道官が記者会見時に伝えた。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

ピソネロ報道官は、「モルドバとウクライナの加盟プロセスに関する項目が今日、コレペールの議題に上った。欧州委員会側から、私たちは、本件に関する最新情報を提供した。私たちは、両国により全ての必要な措置が講じられたと思っている。(中略)現在、加盟国の手に決定が委ねられており、それらの国が交渉枠組み条件を採択せねばならない。そのような決定が採択され次第すぐに、形式的な交渉開始を意味する政府間会議を招集するのはEU理事会議長国の特権である」と発言した。

また同氏は、ウクライナは国家汚職対策局(NABU)(政権高官の汚職犯罪の捜査に特化した法執行機関)への資金拠出水準を高める法律を採択し、汚職防止に関する法律から、国家汚職防止庁(NAPC)から検証中の資産の検証継続の権限を制限する項目や、公職候補者の収入に関する申告を資産検証対象とする権限を縮小する項目を削除したと伝えた。

さらに同氏は、ウクライナは、ロビー活動に関する法律を活性化させ、オリガルヒ(大富豪)の影響力を制限する行動計画の実施の一環として、同法を欧州基準に沿ったものとしたと指摘した。

加えて同氏は、ウクライナは少数民族の権限保護、とりわけ少数民族の言語による学習に関し、関連法を補完する必要な措置を講じたと指摘した。その際同氏は、「同文脈では、その法律は履行が非常に重要であり、欧州委員会は、拡大に関する定期報告の一環で、そのモニタリングを行っていく」と伝えた。

その他同氏は、モルドバは、EU加盟準備の一環で欧州委員会の3つの勧告の履行を続けているとし、とりわけ、裁判システム・法の支配の補完を行い、その点で「著しい進展を遂げている」と評価した。

これに先立ち、2023年12月14日、欧州理事会は、ウクライナ、モルドバ、ボスニ・ヘルツェゴビナとのEU加盟交渉を開始する決定、またジョージアに加盟候補国地位を付与する決定を下していた

また、マテルノヴァ駐ウクライナEU大使は、今年6月末までにウクライナとモルドバとのEU加盟交渉が始まることへの期待を表明していた。