欧州人民党は欧州議会で親欧州・親ウクライナの多数派を築いていく=フォンデアライアン

欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会の次期委員長として、再選が有力視されているフォンデアライエン氏は、自身の所属する欧州人民党(EPP)が欧州議会選挙で勝利したことを受け、同党が明確な親欧州、親ウクライナの立場を持つ強固な「中心」を築いていくと発言した。

フォンデアライエン氏がブリュッセルにて選挙の暫定結果発表後に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

フォンデアライエン氏は、過去数週間、自身は選挙活動を積極的に行なってきたとし、人々が何に心配し、何に懸念を抱いているかを知るために、欧州各国17か国、30以上の都市を巡ったと述べた。そして同氏は、自身はどこでも、人々がEUを高く評価しており、EUに対して確信と信頼を持って接していることを聞いたと伝えた。その際同氏は、EU各国の欧州人民党の党員に対して、今回の決定の達成を可能にした甚大な活動につき謝意を伝えた。

同氏はまた、「今回の選挙は私たちに2つのメッセージを送った。1つは、強力な欧州のための『中心』に過半数があり、それが安定のために決定的に大切だということだ。この『中心』は維持された。しかし、極左と極右が支持を得たことも真実である。だからこそ、この結果は『中心』に位置する政党にとっての甚大な責任を意味する。私たちには、様々な項目で差異があり得るが、しかし、私たちは皆、安定に利益を見ており、私たち皆が協力かつ効果的な欧州を見たいと思っている」と発言した。

その他同氏は、選挙期間の間ずっと、親欧州勢力が政治的過半数を形成できるよう、緊迫して仕事をしていたと指摘した。そして同氏は、欧州人民党は速やかに「欧州社会民主進歩連盟」(S&D)、「欧州刷新」(RE)といった類似のプラットフォームを持つ大きな政治勢力と活動を始めると述べ、欧州人民党はこれら政治グループと過去5年間良い活動をしてきたので、建設的ですでに確認された良い関係の継続を期待していると補足した。

同氏は、「私は常に強力な欧州のために広範な多数派を築きたいと話してきた。私は、最初の任期の間、強力な欧州が何を達成できるかを示してきた。私の目的は、親欧州、親ウクライナであり、法の支配を支持する勢力とその道を進み続けることである。すでに明日には、その仕事を再び始める」と強調した。

加えて同氏は、選挙は真空の中で行われたのではないとし、「私たちの周りの世界は渦巻いている。内外の様々な勢力が私たちの社会を不安定化しようとしており、彼らは欧州を弱めようとしている。私たちはそれが起きることを決して許さない」と強調した。

記者からの質問に答える形で、フォンデアライエン氏は、欧州理事会と欧州議会から現職への再選の支持を得られるだろうとの確信を示した。同時に同氏は、その結果を得るにはまだ多くの努力が必要だとも述べた。

なお、6月6〜9日、EU加盟国では欧州議会選挙が行われていた。