ロシアによるウクライナ児童連れ去りは容認できない=ボリッチ・チリ大統領

チリのボリッチ大統領は16日、戦時下の民間人保護のための緊急措置が必要だとし、またロシアによるウクライナ児童連れ去りの行為は容認できないと発言した。

ボリッチ大統領がスイスで開催された「平和サミット」の総括共同記者会見の際に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

ボリッチ氏は、「子供たちは、どこでも守られねばならない。私たちは、いかなる国であっても、ロシアが現在ウクライナ児童に対して行っているように、児童を奪ったり、連れ去ったりすることを看過してはならない。民間人は苦しんではならない。私たちには、彼らの権利を守るための緊急行動が必要だ。なぜなら、彼らは待つことができないからだ」と発言した。

同氏はまた、今回の「グローバル平和サミット」は重要なプロセスの開始だと述べ、なぜなら、戦争ではなく、平和について議論するために初めて世界の全ての大陸の首脳が集まったのだからと説明した。

加えて同氏は、「この『サミット』は、希望の灯台であり、強固な和平対話を促進するための触媒だ。私たちは、採択した共同コミュニケを完全に支持している。この会議の目的は確かに重要だ」と発言した。

そして同氏は、「国際法と人権の遵守のみが平和を確保することができる」と強調し、国際法と人権の尊重は、ウクライナにも世界の他のどの紛争にも関係する共存の基本原則だと指摘した。

さらに同氏は、「このサミットの今後の行動は決定的なものである。私たちは、ロシアとウクライナが近々、ウクライナの領土一体性と国際法への敬意と、根本的スタンダードとしての人権への堅固なコミットメントを持って、対話を開始することを望んでいる。私たちチリは、平和達成とさらなる紛争の防止のためにこのプロセスを支持し続ける」と発言した。

なお、6月15、16日、スイスのビュルゲンシュトックにて、第1回「平和サミット」が開催された。同会合では、核安全保障、食料安全保障、人道問題が協議された。大半の参加国は、共同コミュニケを採択。同コミュニケには、ウクライナでの核兵器の使用が容認できないこと、食料安全保障を武器として使うことは容認できないこと、捕虜の完全交換や民間人のウクライナへの帰還が訴えられている。