今年に入ってウクライナの家庭内暴力件数が14%増加=クリメンコ内務相

ウクライナのクリメンコ内務相は、2024年に入ってから、ウクライナ国内の家庭内暴力の水準が14%増加しているとし、引き続き増加傾向があると発言した。また、同氏は、家庭内暴力の増加と戦地から戻った退役兵の間の心的外傷後ストレス障害(PTSD)の相関関係が見られるとも指摘した。

クリメンコ内務相がラジオ・スヴォボーダへのインタビュー時に発言した

クリメンコ氏は、「年始から、ウクライナの家庭内暴力水準は14%増加している」と述べ、この水準は増加し続けていると補足した。

同氏はまた、家庭内暴力増加と戦争から戻ってきた退役軍人のPTSDとの間には直接の相関関係があると述べ、「非常に高い割合、(編集注:家庭内暴力への関与の)約60%が、軍人だ。そして、それは軍の軍人だけでなく、前線にいる全ての軍人(編集注:内務省参加の準軍組織など所属の軍人を含むという意味)に関わっている」と発言した。

さらに同氏は、ウクライナにおける退役軍人の心理面のリハビリは「立法段階にある」との見方を示し、「私たちが専門家を選抜せず、彼らを訓練しなければ、私たちは戦後に大きな問題を抱えることになる。PTSDを持つ人や、戦争の後に何らかの精神面の変化を抱える人は何をするだろうか? その人は、アルコール依存症になったり、麻薬中毒になったり、犯罪環境へ向かったりするかもしれないし、あるいはそれら全てが一体となるかもしれない。問題は、戦争の後の人の一部は、冷血に人を殺す経験を身に付けていることである」とし、彼らを戦争から引き出さなければならないと発言した。

その上で同氏は、退役兵の心理的なリハビリは、ゼレンシキー大統領が政府に提示した戦略的課題の1つだと指摘した。