EUはウクライナの降伏による「迅速な平和」に反対=ボレル上級代表
欧州連合(EU)のボレル外務・安全保障政策担当上級代表は11日、ウクライナのロシアの侵略との戦いを一貫して支持し続けており、ウクライナが降伏してでもこの戦争を早期に終結させることを提案する人々に反対していると発言した。
ボレル上級代表がワシントンでの北大西洋条約機構(NATO)首脳会議のインド太平洋とEUのパートナーの出席を得た第2回本会合の始まる前に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
ボレル氏は、「私たちは、ウクライナへの支援継続が戦争を長引かせているだけだと話している者や、たとえウクライナが降伏することになってでも、平和は迅速に生じさせねばならないと話す者に同意しない。私たちはそのような考えに反対である。私たちは、ウクライナに、ロシアの侵略との戦いに勝利できるように能力を提供している。私たちは、ウクライナの主権と独立を維持し、自由世界全体にとっての安全を維持するためにウクライナを支持し続けなければならない」と強調した。
また、同氏は、インド太平洋とウクライナの間には直接の相互的繋がりがあるとし、その問題は今日のNATO首脳の主要議題の1つとなると指摘した。
その際同氏は、「中国は『際限なき友好』フォーマットでロシアを支持し続けており、北朝鮮はロシアにとっての軍事物資の最も重要な供給者となっている。国際法違反、特に海洋法違反は、インド太平洋地域において、地域全体の安定にとっての脅威となっている。よって、私たちは、インド太平洋のパートナーたちと協議をし、NATOと欧州の国々はその地域の安定性確保へと加わる可能性がある」と発言した。
その他同氏は、NATOは75年間にわたって平和を保障し、自由世界を守ってきたと述べた。そして、「今日私たちはウクライナにて大きな脅威と大きな挑戦を抱いている。ウクライナがロシア侵略との戦いに勝利できるように、私たちは同国を支え続けなければならない。私たち、EUは、正にそれを行っている」と発言した。
同氏は、もしEUやその他西側の民主的な国がウクライナ支援を止めたら、戦争はより迅速に終結するかもしれないとし、なぜなら、ウクライナが防衛のための能力を得られなくなるからだと強調した。そして同氏は、それはウクライナへの傀儡政権の樹立、ロシアの侵略によるウクライナの人々の破滅をもたらしかねないと指摘し、EUはそのような終戦シナリオを受け入れないと発言した。
その上で同氏は、「もし私たちがこの戦争がそのように終わることを望まないのであれば、私たちはウクライナ支援を続けねばならない。それは、EU全体の立場だ。EUにとっては、ゼレンシキー氏の計画以外の他の計画はない。それは、私たち欧州の人々にとって唯一受け入れられる和平計画である」と強調した。