ハンガリーがEU議長国に就任してからすでに多くの損害が生じている=ドイツ外務省
ドイツのフィッシャー外務報道官は12日、ハンガリーが欧州連合(EU)理事会議長に就任してから最初の数日のオルバーン同国首相の外政上の活動を批判した。
フィッシャー外務報道官が記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
フィッシャー氏は、「私たちは現在(編集注:ハンガリーのEU議長国就任から)12日目だが、すでに多くの損害が生じている」と発言した。
同氏はその際、EU加盟国大使は直近の常駐代表委員会会合の際にハンガリー大使に対してそのことにつき明確に伝えており、ハンガリー側には「妨害的な試みを止め、(中略)EUへの忠誠要件に従うよう」要請していると伝えた。
また同氏は、オルバーン首相は外遊の際にEUを代表して話すことをはできないとし、EUを代表して話すのは欧州理事会議長と外務政策担当上級代表の権限だと指摘した。
さらに同氏は、ドイツではこの度のハンガリー首相の外遊を「大きな驚きと疑念を持って」受け止めたと指摘した。そして同氏は、そのような振る舞いはEUの忠誠要件に反するものであり、とりわけ、オルバー氏が現在行っていることは、EU加盟国間の中立的仲介者となり、良い結果の達成のためにEU内の意思決定プロセスを推進する努力をするというEU理事会議長国の役割に真っ向から反していると説明した。
その上で同氏は、EUのウクライナに関する一致した立場として、「ロシアの対ウクライナ侵略戦争に関するEUの共通の立場は、明確かつ一義的だ。EUレベルで本件に関する外務理事会の結論がある。欧州理事会の首脳の決定があり、ハンガリーはそれを支持しており、履行の義務がある。私たちは、ハンガリー大統領がそれを履行することを期待している。その立場とは、ロシアは国際法の侵害であるウクライナに対する戦争を速やかに止めること、私たちはEUとしてウクライナ側に立っているというものだ」と強調した。
これに先立ち、オルバーン・ハンガリー首相は、2日にキーウを訪問した後、モスクワと北京を訪問し、ロシア・ウクライナ戦争終結のための独自の「和平イニシアティブ」の協議をしようとしていた。
EUは、このハンガリー首相の外遊当初から、そのような訪問の際にオルバーン氏は、自身と自国の立場のみを代表するのであって、EUの利益を代表する権限はないと発表していた。