マレーシア航空機撃墜事件10年 オランダ外相、正義達成に向けた努力を明言

オランダのフェルドカンプ外相は、2014年の298名が脂肪したウクライナ東部におけるロシア軍の兵器によるマレーシア航空民間機Mh17便撃墜事件から10年が経過した7月17日、オランダは正義の達成のために努力を続けていくと表明した。

フェルドカンプ外相がソーシャルメディア「X」アカウントにメッセージを書き込んだ

フェルドカンプ氏は、「2014年7月17日の出来事は深い跡を残した。MH17便撃墜により、無辜の民298名が死亡、その内196名がオランダ国民だった。10年後の今日、私は、この多大な喪失を遺族と共に弔う。年月を経ても、喪失の甚大な痛み、開いたままの傷は毎日残っている」と書き込んだ。

また同氏は、「当初から、オランダは、この惨劇をもたらした出来事を解明するためにあらゆる可能なことを行ってきた。長年、私たちは、他の被害国と共に真実と正義を求めている。私たちはこの努力を続けていく」と明言した。

なお、マレーシア航空機撃墜事件とは、2014年7月17日、アムステルダムからクアラルンプールへ向かっていたマレーシア航空機MH17がウクライナ東部ドンバス地方上空で武装集団により撃墜され、乗客・乗員合計298名全員が死亡した事件をいう。

2016年9月、国際共同捜査チーム(JIT)は、同事件の技術捜査の結果として、同航空機が、親露武装集団支配地域から地対空ミサイルシステム「ブーク」により発射された弾頭「9M38」により撃墜されたことを判明させている。

同時に、民間調査グループ「ベリングキャット」は、MH17を撃墜した「ブーク」がロシア軍第53対空旅団発のものであることを判明させていた。ベリングキャットは、ソーシャル・メディアとオープンソース情報の独自の分析を通じて、MH17撃墜に関与した20名のロシア軍人を特定させた報告書を発表した。これら軍人の名前が写真付きで示されているこの報告書は、オランダの検察に渡されている。

2018年5月24日には、JITは、MH17を撃墜したロシアのミサイルの破片を公開しつつ、ミサイルがロシアのクルスクを拠点とするロシア軍第53対空ミサイル旅団に属するものであることが判明したと発表した。

2022年11月17日、オランダのスキポール裁判コンプレクスにて開かれたMH17便撃墜事件裁判にて、4名の被告の内、イーゴリ・ギルキン氏(ロシア国籍、ロシア連邦軍元将校)、セルゲイ・ドゥビンスキー氏(ロシア国籍、ロシア軍参謀本部情報総局(GRU)大佐)、レオニード・ハルチェンコ氏(ウクライナ国籍)に対して有罪判決が言い渡されている