欧州議会、ウクライナが西側武器をロシアに対して使用する際の制限の即時解除を要請

欧州議会は19日、ウクライナが西側の武器システムをロシア領内の合法的目標に対して使用する際の制限を即時解除するよう要請する決議を採択した。

決議「EU加盟国によるウクライナへの財政・軍事支援の継続」が欧州議会の本会議で採択された。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

賛成したのは議員425名、反対は131名、留保は63名。

決議第8項には、「欧州議会は、加盟国に対して、ウクライナに供与した西側武器システムをロシア領内の合法的軍事目標に対して使用する際の制限を速やかに解除するよう要請する。なぜなら、それはウクライナが国際公法に従った自らの自衛権を完全に実現する能力を妨害しており、ウクライナの国民やインフラへの攻撃に対して同国を脆弱な状態に置いているからである」と書かれている。

また決議は、ウクライナは侵略の犠牲国として国連憲章第51条に従った合法的自衛権を有すと確認している。

さらに欧州議員たちは、EU、米国、その他同志国が提供した軍事支援につき、「多大だが、まだ不十分である」と強調した。

決議では、弾薬と兵器の供給が不十分であり、その使用に制限がかけられていることは、これまでの努力を破綻させかねないと指摘されている。

また、決議には、「その点に関連して、加盟国に対して再び、2023年3月に負った、ウクライナに100万弾の砲弾を供与し、武器、とりわけ、明確に認められたニーズに応えて、ミサイル『タウルス』を含めて、現代的な防空システムやその他の武器、弾薬の供与を加速するというコミットメントの履行を呼びかける」と書かれている。

加えて、EUとNATOの全加盟国に対して、集団かつ個別に、軍事面でのウクライナ支援のコミットメントを負うべきだとされており、とりわけ、支援は毎年自国GDPの0.25%以上であるべきだと主張されている。

そのほか議会は、加盟国に対して、ウクライナ支援を妨害するハンガリーに妨害をやめさせるように積極的に圧力をかけるよう要請した。ハンガリーに対してはまた、「ウクライナ西部からの難民の保護のための国家支出取り消しの命令を撤回し、EUの一時的保護指令に従った自らの義務を遵守するよう」要請した。

第16項では、EUに対して、ロシアへと強制的に追放され、ロシアで養子とされた子どもたちの凄惨な環境を解決するために、対個人制裁を含む、努力を活発化するよう要請されている。

さらに、議会は、ロシアの液化天然ガスの完全禁輸、「ガスプロム」社への制裁、ロシアが石油と天然ガスの輸出への制限を回避するために利用している海洋船に対する制裁を呼びかけている。

なお、前回の欧州議会によるウクライナ支援継続の類似の決議は2024年7月17日に採択されていた。