ゼレンシキー宇大統領、国連総会で「代替的和平案」を批判
ウクライナのゼレンシキー大統領は25日、ロシアの対ウクライナ戦争が終結する上で重要な原則に言及した。
ゼレンシキー大統領が国連総会での演説の際に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
ゼレンシキー氏は、「私たちは核の安全を再生しなければならない。エネルギーが武器として使われるのが止めらねばならない。私たちは、食料の安全を保障せねばならない。私たちは、もしかしたらロシアに移送されているかもしれない拘束されている私たちの兵士と民間人を全員帰還させねばならない。私たちは、国連憲章を遵守し、私たちの権利、他のどの国とも同様の、ウクライナの領土一体性と主権の権利を保証せねばならない」と発言した。
また同氏は、ロシア占領者を追い出さねばならないし、それがウクライナにおける戦争行為に終止符を打つことになるし、戦争犯罪の罪人の責任を追求せねばならないと指摘した。
同氏は、「私たちはエコサイドを防がねばならないし、戦争によって生じる自然破壊を止めねばならない。私たちは、このロシアの侵攻の再来を看過してはならない」と発言した。
また同氏は、2年前、戦争終結と安全保証の包括的戦略となる「平和の公式」を世界の首脳たちに向けて提案したと喚起した。
そして同氏は、ウクライナは世界の誰よりもこの戦争を終わらせたがっていると伝えた。
その上で同氏は、「ロシアは、領土面でウクライナを20倍以上も上回る国だが、同国はさらに領土を欲しがっているのだ…。それは狂気だ。そして、領土を日に日に制圧し、隣国の破滅を願っている。そしてロシアはそのために非常に特別な仲間である北朝鮮とイランを見つけ出した。模範的な友人の選択だ」と発言した。
同氏は、今、欧州と中央アジアにおけるロシアの隣国1つ1つが、戦争は自分のところにも到来するかもしれないと感じていると指摘した。
また同氏は、ウクライナの和平案「平和の公式」を支持してくれた約100の国と国際機関に対して謝意を伝えた。
さらに同氏は、「平和サミット」は国連総会を想起させるものだとし、「平和サミット」では全ての国が平等だったと指摘した。そして同氏は、「それが、ロシアが最も嫌うものであり、ロシアがコントロールできないものだ。だから、ロシアは、『平和の公式』は自らにそぐわないと述べているのだ」と指摘した。
その他同氏は、インド、グアテマラ、日本、イタリア、トルコ、フィンランド、カナダ、パラグアイ、スロベニア、ドイツなどの国の首脳と会談したとし、「それらは世界の実に様々な地域であり、様々な政治機構を持つが、しかし、彼らを1つの理解が団結させているのだ。それは、『平和は必要であり、平和は本物であり、公正な平和でなければならない』というものだ」と発言した。
同氏は、「ある者は、代替の中途半端な情勢解決計画を提案している。いわゆる『原則セット』だ。しかし、それはウクライナ人の利益と苦しみ、現実を無視しているだけでなく、プーチンがより多くの国を支配できるよう、彼に戦争継続と世界に対する圧力のための政治的空間を提供するものだ」と強調した。
その上で同氏は、どのような代替的試みも、それは実質的に、小康状態の実現の試みであり、終戦ではないと指摘した。
加えて同氏は、「そして、もしかしたら、誰かは、自らの政治的キャリアのために、真の平和の代わりに、凍結された停戦でノーベル平和賞を獲得したがっているのかもしれない。しかし、代わりにプーチンがあなたに与える唯一の商品は、さらなる苦しみと災厄なのだ」と発言した。
また同氏は、誰かによる平和の公式のどの項目に対する代替物の模索も、それら項目のいずれかを無視しようとする試みも、おそらく「その者がプーチンが行っていることの一部、その者が無視している項目を自分で実現したいと思っているということだろう。それは、彼らが隠している願望を明らかにしている」と説明した。
そして同氏は、中国・ブラジルの連携がヨーロッパやアフリカの誰かとの「合唱」に発展し、完全かつ公正な平和に対する何かしらの代替物を提案する時、「どこに本当の関心があるのか、という疑問が生じる」と強調した。同氏は、「皆が理解すべきことは、ウクライナを犠牲にして自らの権力を強化はできない、ということだ」と発言した。
その他同氏は、世界はすでに小国を犠牲にした植民地戦争と大国の陰謀を経験してきたのだと指摘した。その際同氏は、「なぜ世界の誰かが、もはや誰も満足しないような残酷な植民地の過去を、普通の平和な生活の代わりに、現在ウクライナが押し付けても良いと考えているのか。それをウクライナ人が受け入れることは決してないし、決して納得しないだろう」と強調した。