ゼレンシキー宇大統領、岩屋日本外相と会談(両国公式発表)

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ウクライナの大統領府と日本の外務省は、ゼレンシキー宇大統領と岩屋日本外相が16日にキーウで会談したことにつき公表した。

ウクライナ大統領府の発表によれば、ゼレンシキー大統領は、岩屋外相がキーウだけでなく、ブチャなど、ウクライナの他の町も訪れたことに言及した。またゼレンシキー氏は、日本によるウクライナの主権と領土一体性への一貫した支持と、多大な財政・人道、とりわけエネルギー分野への新しい支援パッケージの供与につき謝意を伝えた。

またゼレンシキー氏は、「あなた方は、ロシアの全面侵攻の当初から私たちの側にいてくれており、あなた方は私たちを助けてくれている。私たちは、日本政府と日本の人々がウクライナに提供してきた支援を高く評価している。総額は約120億ドル、この戦争の間のウクライナ支援全部だ」と発言した。

さらに同氏は、G7によるロシアの凍結資産から得られる利益で償還される500億ドル融資に関する決定の一環での30億ドルの拠出につき謝意を伝えた。

その他同氏は、ウクライナと日本の間の緊密な関係に言及した他、石破新日本首相との間でもこれまでのような高いレベルの対話が続くことへの期待を表明した。

同氏は、「北朝鮮軍人がロシアの対ウクライナ戦争への介入で起きていることに鑑みれば、ロシアからの、北朝鮮と一緒になってエスカレーションの拡大をどのように防ぐかを協議することが重要だ」と発言した。

ゼレンシキー氏と岩屋氏は、6月13日にイタリアで署名された二国間安全保障協定の実現の活性化につき合意した。

岩屋氏は、日本がウクライナと共にあり続けるという日本の不変の立場を示すためにウクライナを訪れたと発言した。また同氏は、安全のために両国の二国間関係を強化することを支持していると強調した。

その他、協議の際には、日本からの「平和の公式」支持、核安全保障項目の履行における日本のさらなるリーダーシップ、経済・人道協力拡大、対露制裁の継続・強化についても話し合われたという。

またゼレンシキー氏は、石破首相に対するウクライナ訪問への招待を伝えたという。

日本外務省の発表によれば、岩屋外相はゼレンシキー大統領への表敬を約50分間にわたり行ったという。

日本側発表によれば、ゼレンシキー大統領は、岩屋外相の訪問を歓迎した上で、日本からのこれまでの貢献と支援に対する謝意を述べた。岩屋氏は、ロシアによる侵略に立ち向かうゼレンシキー大統領のリーダーシップとウクライナの人々の勇気と忍耐強さに対して改めて敬意を表するとともに、「日本はウクライナと共にある」との日本の立場は変わらず、就任後初めての外国訪問の一環としてウクライナを訪問したと伝えた。

岩屋氏は、本年6月の第一回平和サミット以降の「平和の公式」の下での日本の取組などに言及。ゼレンシキー大統領は、「平和の公式」や、同大統領が推進している「勝利計画」について説明した。これに対し、岩屋氏は、説明への謝意を伝達するとともに、「勝利計画」が掲げる、ウクライナの公正かつ永続的な平和の一日も早い実現を日本として支持しており、今後も協力していくと述べ、引き続き連携していくことで一致した。

岩屋氏は、北朝鮮によるロシアへの兵士派遣を深刻に憂慮していると述べたのに対し、ゼレンシキー大統領も同様の認識を示し、双方は本件について両国間で情報共有及び連携を強化することを確認した。また、双方は、安全保障分野での連携及び協力について意見交換を行い、連携を強化していくことで一致した。

また、岩屋氏は、厳しい冬を迎えるウクライナのエネルギー事情を支える支援や、地雷対策の支援についても継続していくと説明した。ゼレンシキー大統領は、日本からの様々な支援に対する深い謝意を述べるとともに、人道分野での引き続きの支援に対する期待を示した。

写真:ウクライナ大統領府