ロシアはウクライナの正教徒「保護」のための口実を探している:宇正教会キーウ聖庁総主教

ロシアは、再び「保護」という口実を探しており、今回は、ウクライナの正教徒の「保護」を欲している。

26日、フィラレート・ウクライナ正教会キーウ(キエフ)聖庁総主教がウクルインフォルム通信における記者会見で述べた。

フィラレート総主教は、「彼らは、(最近の出来事を)トモス(編集注:正教会の公布文書)の付与ではなく、教会の占拠だと述べています。どうして、どこから、このような話になるのだと思いますか。モスクワからです。ロシアは、軍事力をもって介入するための根拠を準備しているのです。(ウクライナ東部)ドンバス地方にて、ロシア語話者の『保護』を口実としたように…。介入してしまえば、介入理由は忘れられてしまうのです。現在、彼らは、モスクワ聖庁のロシアの教会を守る、正教徒を守る、と言うための新しい根拠を求めています。ですから、それをわかっている私たちは、どのような暴力も見逃しませんし、ロシアに、ウクライナの出来事、私達のウクライナの宗教生活に介入させる根拠は与えません」と述べた。

10月11日、コンスタンティノープル総主教庁聖会議は、ウクライナ正教会への独立に関するトモス(編集注:正教会の交付文書)付与の決定を下した。現在、キーウにおいて、ウクライナ正教会キーウ聖庁、同教会自治独立派、同教会モスクワ聖庁の聖職者による会議が招集されることになっている。同会議では、コンスタンティノープル総主教庁に対して、トモス要請がなされることになる。会議は、諸教会の統一を行い、統一されたウクライナ正教会が創設され、同正教会の総主教が選出されることになる。

10月15日、ミンスク(ベラルーシ)で開催されたロシア正教会会合は、コンスタンティノープル総主教庁がウクライナ統一教会に独立を近々付与する決定を採択したことを受けて、同総主教庁との教会対話を断絶する決定を採択した。