ウクライナ正教会モスクワ聖庁、ウクライナ独立正教会創設プロセスに参加しないとの決定を発表
ウクライナ正教会モスクワ聖庁主教会議は、ウクライナ正教会の独立に関するトモス(編集注:正教会の公布文書)付与プロセスに同聖庁主教、聖職者、教衆は加われないとする決定を採択した。
13日付ウクライナ正教会モスクワ聖庁主教会議の決議に書かれている。
同決議には、「主教会議は、独立に関するいわゆるトモス付与のプロセスは、人工的であり、外側から押し付けられたものであり、内側の教会的不可欠性を反映しておらず、真の教会的統一をもたらさず、分断を深め、ウクライナ国民の間の対立を強めるものであることを強調する。このような条件では、ウクライナ正教会(編集注:モスクワ聖庁)の主教、聖職者、教衆は、このプロセスに参加することは不可能であると考えている」と記述されている。
また、同会議は、コンスタンティノープル総主教庁聖会議による10月11日付のウクライナの地におけるコンスンタンティノープル総主教庁の管轄権確立を非難し、聖餐対話を停止すると発表した。
さらに、モスクワ聖庁は、コンスタンティノープル総主教庁聖会議の10月11日付のウクライナ正教会関連の決定を「向こうであり、何ら教会法上の拘束力を有さないもの」と主張した。
また、モスクワ聖庁は、同教会の名前を法的に変更することに反対すると表明した。
すでに報じられているように、10月11日、コンスタンティノープル総主教庁聖会議は、ウクライナ正教会への独立に関するトモス付与の決定を下した。現在、キーウ(キエフ)において、ウクライナ正教会キーウ聖庁、同教会自治独立派、同教会モスクワ聖庁の聖職者による会議が招集されることになっている。同会議では、コンスタンティノープル総主教庁に対して、トモス要請がなされることになる。会議は、諸教会の統一を行い、統一されたウクライナ正教会が創設され、同正教会の総主教が選出されることになる。
これを受け、10月15日、ミンスク(ベラルーシ)で開催されたロシア正教会会合は、コンスタンティノープル総主教庁がウクライナ統一教会に独立を近々付与する決定を採択したことを受けて、同総主教庁との教会対話を断絶する決定を採択した。