露最高裁付近にて約50名のクリミア・タタール人が拘束 宇外務省は抗議声明を発出
11日、モスクワのロシア連邦最高裁判所付近にて、クリミア・タタール人活動家約50名が拘束された。同裁判所では、「ヒズブット・タフリール(イスラム解放党)事案」で拘束されている人物の上告の審議が行われており、活動家たちは、違法に断罪されている人々の支持集会を開いているところであった。
同日、市民団体「クリミアの連帯」が伝えた。
発表には、「裁判所の近くの通りで、治安機関職員が抗議参加者たちを拘束し始めた」と伝えた。
弁護士のエデム・セメドリャイェフ氏は、拘束されたのは少なくとも50名だと伝えた。その他、クリミア・タタール系テレビ局「ATR」は、治安機関職員は集会参加者に解散を命じ、そのすぐ後に活動家を拘束し始めたとのこと。
写真:クリミアの連帯
ATR局は、「クリミア・タタール人たちは、2台のバスに乗せられ、どこかに連行された。1台には、少なくとも28名が乗せられたが、拘束された者の合計数は不明」と報じた。
本件に関して、11日、ウクライナ外務省は、モスクワの最高裁判所付近で45名のクリミア・タタール人が拘束されたとして、抗議の声明を発出した。
外務省声明には、「ウクライナ外務省は、ロシアの治安機関が45名のクリミア・タタール人を違法に拘束したことにつき、断固とした抗議を表明する。彼らは、本日、モスクワのロシア連邦最高裁判所付近に、いわゆる『テロ組織』の活動参加というでっちあげの断罪を受けている同郷の者たちを応援する、平和的集会のために集まっていたのである」と書かれている。
外務省は、10日のクレムリン付近でのクリミア・タタール人集会の排除、本日11日のクリミア・タタール人の集会参加者の無根拠な拘束は、ロシアがクリミア・タタール人に対して弾圧政策を続けていることを示しており、その政策は一時的被占領下クリミアからクリミア・タタール民族を追放することを目的としていると指摘した。
外務省はまた、国際社会に対して、人権侵害・クリミア・タタール民族迫害を止めさせるべく、ロシア連邦の違法な行為を非難し、この侵略国に対する政治・外交圧力、制裁圧力を強化するよう呼びかけ、同時に、ロシアに対しては同国が違法に拘束するウクライナ国民を速やかに解放するよう呼びかけた。
なお、11日、ロシア連邦最高裁判所では、「ヒズブット・タフリール案件」として知られる案件で断罪されている4名のクリミア・タタール人(エンヴェル・マムトフ、ルステム・アビリタロフ、ゼヴリ・アブセイトフ、レムジ・メメトフ)の上告が審議されていた。同裁判所近くで行われた集会の参加者は、「クリミア・タタール人への弾圧を止めろ」と書かれたTシャツを着て、同民族への弾圧に抗議する内容の書かれたプラカードを掲げていた。