ウクライナ料理の本が出版
キーウ(キエフ)にて2日、ウクライナ料理の本『ウクライナ 食べ物と歴史』(”Україна. Їжа та історія”)の出版発表会が行われた。
ウクライナ・インスティテュートと「イジャクリトゥーラ(食べ物文化)」プロジェクトがプレゼンテーションを行った。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
『ウクライナ 食べ物と歴史』は、ウクライナ料理の地域、民族、味の多様性を紹介する初めての書籍で、ウクライナ語版と英語版を同時に出版したと発表された。
イジャクリトゥーラの発起人であるオレーナ・ブライチェンコ氏は、「この本の使命は、世界をウクライナ料理のとりこにすることです。この本は、世界中の一人一人の人に食べ物外交と食事芸術を伝えなければなりません」と述べ、著者たちは、ウクライナの各地域の食事の伝統を見せるよう工夫したと述べた。
著者の一人、歴史家のイーホル・リリョ氏は、優先課題は、ウクライナ料理というものは歴史的価値を抱える絶大な文化遺産であることを証明することにあったと指摘した。彼は、「ウクライナ料理とは、サロ、ヴァレニキ、ボルシチだけではないのです」と強調した。
ウクライナ・インスティテュートのクリエイティブ・ディレクターであるテチャーナ・フィレウシカ氏は、食べ物は外交分野において非常に重要な役割を担っていると述べ、「食べ物外交は、一つの学問です。それにより、理解、対話確立、文化間のつながりの道具として、料理を利用できるようになります。ウクライナの食事文化の発展は、ウクライナが国際社会で自らを示すために必要なことです」と指摘した。
この本は、オンラインで公開される他、フィレウシカ氏によれば、印刷されたものが各国のウクライナ大使館などに渡されるとのこと。また現在、フランス語への翻訳が進められており、その後ポルトガル語へも翻訳されると伝えられた。
本の中には、ウクライナ料理やクリミア・タタール料理の中から、有名な料理や珍しい料理が紹介されている他、歴史、食事文化に関する話、ウクライナのもてなしについての話などが掲載されている。
本の製作に携わったのは、ウクライナ各地の料理人や研究者のチームだという。
本の電子版は、ウクライナ・インスティテュートのウェブサイトにて無料でダウンロード可能となっている。
なお、「イジャクリトゥーラ」は、ウクライナの食事文化研究の発展・普及を目的に始まったプロジェクト。
写真:ui.org.ua