クリミア・タタール人指導者の生涯描く映画制作進行

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ウクライナでは、クリミア・タタール民族指導者として知られるムスタファ・ジェミレフ氏の生涯を描く映画『酸素ステーション』の撮影が2021年10月まで行われる。

国家映画庁が伝えた

監督のイヴァン・ティムチェンコ氏は、「この映画は、心の自由に関する話だ。同時に、愛の物語でもある。撮影アイデアが先に生まれたのではなく、クリミア・タタール人の故郷へ戻る権利を巡る闘いのことや、ムスタファ・ジェミレフ氏がどのような人物なのか、ウクライナ人があまり知らないこと、それを痛感したことから全てが始まっている。今、私たちにとって、彼の物語は、非常に意味を持っており、私たちを励ます勝利のストーリーである」と説明した。

写真:国家映画庁

発表には、制作は5年前、チームがジェミレフ氏と知り合った時に始まったと書かれている。制作動機の一つは、深く感動的な個人の物語だとし、クリミア・タタール人指導者の人生の中で、全くもって予想外の部分を見せることにあると説明されている。

脚本家のミハイロ・ブリニフ氏は、「私がムスタファ・ジェミレフ氏の歴史の中で興味を持ったのは、神話的で実存的な問いである。かつてアルベール・カミュは、シーシュポスは幸せになれるかという問いに応えようとした。どの瞬間で、シーシュポスは幸せとは何かを感じ、理解することができるのか。正に、映画『酸素ステーション』のシナリオも、ムスタファ・ジェミレフ氏の人生という例を題材にして、その質問への答えを模索するようにして始まったものである」とコメントした。

映画音楽の作曲は日本の三宅純、ムービーはドイツのトーマス・ストコフスキが担う。制作は、国家映画庁の支援を受け、「デジタル・プラットフォーム」が行なっている。ウクライナでの公開は、2022年の予定。