被占領下クリミアで拘束の先住民指導者ジェリャル氏、闘争の継続を宣言

被占領下クリミアにて占領政権に拘束・逮捕されている先住民クリミア・タタール民族代議機関「メジュリス」のナリマン・ジェリャル副代表は、拘置されている間も可能な手段で闘争を継続すると発表した。

弁護士のニコライ・ポロゾフ氏がジェリャル氏の書簡をフェイスブック・アカウントに掲載した

ジェリャル氏は、「私は、このような展開への準備はできていたし、年配の兄弟たちを見習って、自らの信念を曲げるつもりはない! 拘置所にて私にできる手段をもって闘争を継続していく。ところで、私の家への家宅捜索の際、捜索を行った職員は『お前の武器は言葉だ。その方がはるかに危険だ』と述べていた。今、その『武器』は私とともにある」と述べた。

同氏は、自らが選んだ道を諦めるつもりはないし、クリミア・タタール民族の代表者としての地位も捨てないと述べた。同氏は、「8年前、あなたたち、私の民族は、自分の利益を代表する権利を私に与えた。高い地位と責任を授けられたのであり、私は黙ることも隠れることもできるわけがなかった。私は、意識的にこの道を選んだのであり、そこから外れることはしない。私には、愛する妻と、親しい友人と、全民族と全世界がいる。どんな壁であっても、そのことを変えることはできない」と伝えた。

また同氏は、クリミア・タタール人たちに対して、諦めず、闘争を続けるよう呼びかけた。「民よ! 暴力の犠牲者に対して、暴力を受けた者にこそ責任があると説得しようとする偽善的糾弾者を信じてはならない! その者たちは、私が自分で『自らを脅威にさらした』などと、静かに家族と家にいれば良かったのになどと言うだろう。しかし、私たちはそのように振る舞うことはできない。諦めないで欲しい! 私に起こることが、あなた方に恐怖を生みませんように。なぜなら、それが彼らの目的の一つだからだ」と書いている。

なお、これに先立ち、3、4日、被占領下ウクライナ領クリミアにて、ロシア占領機関当局が複数の先住民クリミア・タタール系住民の自宅で家宅捜索を行い、ナリマン・ジェリャル「メジュリス」副代表はじめ、計5名を拘束していた。その後、シンフェローポリ市では、この5名被拘束者の所在を把握しようと集まった住民約60名が占領機関治安当局に数時間にわたり拘束された(その後、2名を残し、残りは解放された)。

ロシア占領政権のシンフェローポリ氏キエフ地区裁判所は、ナリマン・ジェリャル・メジュリス第一副代表、アジズ・アフテモフ氏、アサン・アフテモフ氏に対して、11月4日までの2か月間の拘禁措置を言い渡している。

ゼレンシキー大統領は、同拘束につき、クリミア・プラットフォームの活動開始に対するロシアの反応であるとしつつ、被拘束者を速やかに解放するよう要求している。

本件につき、米国や欧州連合(EU)及び同加盟国は、ロシアを非難するメッセージを発出している。

写真:レファト・チュバロフ「メジュリス」代表(フェイスブック)