ウクライナのオンライン行政サービス「ジーヤ」を他国に売却する予定はない=デジタル移行相
フェドロウ副首相兼デジタル移行相は、官製行政サービス提供オンラインプラットフォーム「ジーヤ(Дія)」の開発チームの元には、外国や国外企業から類似製品の開発の提案が届いているとしつつ、同チームに類似品の開発や売却を行う予定はないと説明した。
フェドロウ氏が国営テレビ局「家」とのインタビュー時に発言した。
同氏は、「私たちは、様々な国や企業との間で何度も対話をしてきた。正直に言おう。仮に私たちがその件に焦点を当て、類似の技術をどこかで売却するとか、他国での似た製品の始動を支援したいと思っていたら、私たちはとっくにそうしていただろう。(中略)私たちは、(自分たちの)仕事に力を注いでいる。現在、他国で『ジーヤ』や似た物を作ったり売ったりするというような目的はない」と発言した。
同氏はまた、デジタル移行省のチームは、ウクライナの行政サービスを100%デジタル化するという目的に集中していると強調し、「私たちの2024年末までの目的はこうだ。私たちは、全てのサービスを100%デジタル化したい。最大限、95〜100%の人が、小さな自治体だろうが、道路の真ん中だろうが、電車に乗っている時だろうが関係なく、インターネットにアクセスできるようにしたい。そして、人々が技術を使えるようにしたい。それは、皆が平等になるために重要なことだ。あなたがもし、技術にアクセスできなかったり、スマートフォンやコンピューターを持っていなかったりするのであれば、行政サービス提供センター(TsNAP)を訪れることで、そこで昨日よりもはるかに迅速で良質なサービスを受け取れるようにしたいのだ」と強調した。
なお、オンライン行政サービス「ジーヤ(Дія)」とは、ウェブポータルとスマートフォンアプリからなるデジタル移行省のプロジェクトで、デジタル化された身分証明書、運転免許証、コロナワクチン接種証明書の利用、各種行政サービスの申請など、様々な行政サービスをオンラインで行えるようにすることを目的に進められているもの。ウクライナ現政権による「スマートフォンの中の国家」プロジェクトの一部をなす。「ジーヤ(Дія)」という名前は、「国家」を意味するウクライナ語のДержаваの「Д」、接続詞の「І」、「私」を意味する「Я」を合わせた「国家と私(Держава і Я)」を省略したものである。