欧州の露プロパガンダメディア禁止状況まとめ
3月28日時点で、欧州ではすでに30か国にて、完全あるいは部分的にロシアのプロパガンダメディアの発信が禁止されており、また同時に各国でウクライナのテレビ・ラジオコンテンツの発信が始まっている。
ウクライナの国家テレビ・ラジオ問題評議会が発表した。
欧州の状況は以下のとおり。
欧州連合(EU):EUは、ロシア国営メディアのRTとスプートニクを域内での制裁対象とした。これを受け、EU内では、緊急にスプートニクとRT(RT英語版、英国版、ドイツ版、フランス版、スペイン語版)の発信が停止された。
ルーマニア:ウクライナのテレビ局「ラーダ」「エスプレソ」が視聴可
英国:当局が露RTのライセンスを剥奪。ウクライナのテレビ局に同国の複数局での放送が提案されている。
ドイツ:有名なドイツテレビ局RTLとntvで、もうすぐウクライナ語放送が始まる。
チェコ:プラハにて、メディアグループ「メディア・ボヘミア」にて、ウクライナ国民向けの放送「ラジオ・ウクライナ」放送が始まった。
ポーランド:ポーランド当局はロシアのテレビ局を禁止し、代わりにウクライナのテレビ局の中継を行なっている。ポーランド最大のラジオ局RMFグループは、ウクライナ語ラジオ「あなたはRMFウクライナを聞いている!」を設置し、ポーランド国内のウクライナ難民にとって役立つ情報を発信している。
ベルギー:フランデレン地域では、ロシア・プロパガンダ・チャンネルがケーブルテレビ等から排除された。
オランダ:ロシアのテレビ局「ロシア・トゥデイ」「スプートニク」のライセンスがなくなり、地元ケーブルテレビや地上波で見られなくなった。
ギリシャ:当局がロシアのテレビ局の放送を禁止。ロシアメディアのウェブサイトへのアクセスを遮断。
モルドバ:当局がロシアとベラルーシのテレビ局を禁止。テレビ局「ミール」も禁止。
エストニア:当局がロシア初の番組の放送を一時的に停止。
リトアニア:当局がロシア初の番組の放送を一時的に停止。
ラトビア:当局がロシアとベラルーシに関連する28の番組の放送を制限。また、3月から、スプートニクなどのロシアの報道機関と関連するウェブサイトを禁止。近々、「ウクライナ24」が無料で地上波で視聴可能となる。
英語クラブTV:英国の「英語クラブTV」はロシアのテレビネットワークとオペレーターに信号を使うことを禁止。
EBU:欧州放送連合(EBU)は、同組織のロシアの活動を停止。
EPRA:欧州規制機関プラットフォーム(EPRA)は、ウクライナのテレビラジオ評議会による欧州でのロシアのプロパガンダとの闘いの呼びかけを支持し、欧州各国の規制機関に対して、ロシアの偽情報の摘発と停止を行うよう呼びかけを行なった。
CDMSI:ロシアは欧州メディア・情報コミュニティ(CDMSI)の管理委員会の活動に参加できない。
グーグル社とアップル社:両社は欧州内のショップでRTとスプートニクを禁止。
なお、日本では、NHKワールドJAPANは、3日からインターネット配信にウクライナ語の字幕提供を始め、また14日夜からウクライナ語のページを追加している。同時に、露国営プロパガンダメディアのスプートニク日本語版は、引き続き日本語による発信を続けている。