ウクライナの90%のロシア語話者、使用言語による弾圧を受けていないと回答
最新の世論調査によれば、ウクライナに暮らし、生活の中で主にロシア語を使う住民(以下、ロシア語話者)の90%がロシア語の使用による弾圧を受けていないと考えていることがわかった。
キーウ(キエフ)国際社会学研究所が5月19日〜24日に行った、ロシア・ウクライナ戦争の受け止め方に関する世論調査結果を発表した。
発表には、回答者の93%が、ウクライナにはロシア語話者への体系的弾圧はないと回答している。とりわけ、民族的ロシア人であるウクライナ国民の間の85%、ロシア語話者ウクライナ国民の間の90%がそのような「弾圧はない」と回答したという。
加えて、回答者の97%が「ウクライナは独自の形成・国家の長い歴史を有している」と回答、2%が「ウクライナはソヴィエト政権が20世紀に作り出した人工的国家」と回答した。
その他、「西側諸国はロシアとの戦争を望んでいなかったし、ウクライナに対してロシアを攻撃するよう煽ろうともしていなかった」(85%)、「ウクライナ政権にナチス主義者が入り込んでいるとの考えはフィクションだ」(89%)、「戦争はロシアがウクライナを服従させたいがために始まった」(94%)、「ロシア軍はわざと民間インフラや民間人を攻撃している」(89%)、「民間インフラ破壊や民間人犠牲者に罪があるのは何よりロシア軍だ」(96%)といった見方が85%以上の同意を得ていた。
設問の中で同意の回答が少なかったのは、ドンバス住民の意見を問うものであった。同設問では、73%が「ドンバス住民の大半はウクライナの一部に残りたがっている」と回答、17%が「ドンバス住民はロシアに編入されたい、あるいは独立したがっている」と回答した。
今回の世論調査は、キーウ国際社会学研究所が5月19日から24日にかけて、コンピューターを用いて携帯電話の番号をランダムに選択して電話をかけて質問する方式で行ったもの。クリミア自治共和国を除き、また2022年2月24日までウクライナ政府の管理下にあった地域に居住する18歳以上の人物2009人が対象とされた。理論的誤差は最大で±2.4%だと発表された。