50%以上のウクライナ人、独立ウクライナ正教会信者と回答 露正教会系は4%に減少
最新の世論調査によれば、54%のウクライナ国民が自らをウクライナ正教会(独立)の信者だと考えていることがわかった。同時に、ロシア正教会系のウクライナ正教会モスクワ聖庁の信者だと考えているものは4%へと減少した。
キーウ国際社会学研究所が7月6日から20日にかけて実施した世論調査結果が発表された。
発表によれば、54%の回答者は自らをウクライナ正教会(編集注:独立)の信者だとみなしており、4%がウクライナ正教会モスクワ聖庁の信者だとみなしていると回答した。
さらに、14%が自らを正教徒とみなしつつも、聖庁の別は気にしていないと回答した。
宗教別の設問では、回答者の72%が自らを正教徒と回答。その他、10%が無宗教、8%がウクライナ・ギリシャ・カトリック教会信者、2%がプロテスタント信者、1%がローマ・カトリック教会信者、2%がその他のキリスト教系教会の信者だと回答した。ユダヤ教徒とイスラム教徒は1%未満だった。
キーウ国際社会学研究所は、2021年6月時点の調査と今回の調査を比べて、自らをウクライナ正教会(独立)の信者だとみなしている回答者の割合が42%から54%に増加しており、他方で、ウクライナ正教会モスクワ聖庁の信者だと回答した者の割合は18%から4%に大幅に減少したことを指摘している。
宗教別の設問では、全ての地域で、「ウクライナ正教会(独立)信者」が最も多かった(中部59%、南部57%、西部50%、東部42%)。「ウクライナ正教会モスクワ聖庁信者」との回答は、東部6%、南部5%、中部4%、西部3%だった。同時に、聖庁の別を気にしないとの回答は、西部では6%だったが、南部では17%、東部では26%と、地域差が大きく現れた。また、ギリシャ・カトリック教会信者との回答は西部では26%、中部・南部では1%、東部では0%だった。
フルシェツィキー同研究所副総裁は、「ウクライナ正教会モスクワ聖庁は、大半の小教区の実質的支配を維持しているものの、同時にウクライナ人の意識の中では同教会は評判を著しく失っている(特に、ロシア侵略との連想を通じて)。ロシアとの繋がりを減少させる最近の(編集注:モスクワ聖庁の)決定ですらも、少なくとも今は、ウクライナ正教会モスクワ聖庁が以前の支持の一部すらも取り戻すには至っていない」と説明した。
今回の世論調査は、キーウ国際社会学研究所が2022年7月6日〜20日に携帯電話の番号のランダム選択というCATI方式にて行ったもの。2月24日までにウクライナ政権のコントロールのあった全ての地域の18歳以上の人物2000人を対象に実施されたものだという。