フィンランドの大学でのロシア語学習希望者が減少=報道

ロシア連邦によるウクライナへの全面的侵攻が始まって以降、ロシアの隣国フィンランドでは、ロシア語学習希望者の数が減っているという。

14日、フィンランド国営放送yleが報じた

記事には、「ウクライナへの侵攻は、今年のタンペレ、ヘルシンキ、フィンランド東部の諸大学におけるロシア語選考入学希望者の数に反映されている。申請者の中には入試を受けに来なかった者もいるし、提案された枠を断った者もいる」と書かれている。

他方で、フィンランドでは、以前同様、ロシア語話者の需要は存在し続けているという。ヘルシンキ大学でロシア文学・文化を専門とするトミ・フトゥネン教授は、「私たちが、情報面の影響のような問題を検討する際、ロシア語・文化・社会の分野の専門家は、安全保障政策の重要なリソースだ」と指摘する。

同氏は、人々がロシア情勢を知りたがらない時でも、情報の壁を作るべきではないと述べる。「私たちは、日々の主要なニュース、フィンランドについて何を書いているか、フィンランドへの態度がどのように変わっているかといったことを知るべきなのだ」と主張する。

タンペレ大学のロシア語・文化専門のサンナ・トゥロマ教授は、ロシア語の知識は、ウクライナからの難民と話す際にも重要だと指摘する。トゥロマ氏は、「多くの状況で、ロシア語は、例えば、英語よりも役に立つ」と述べつつ、同時に「しかし、私たちは、戦争から逃れてきた多くのウクライナ人にとって、ロシア語が敵の言葉であることも覚えておくべきだ」とも発言した。

また、フトゥネン教授は、できるだけ早くウクライナ語・文化学習への資金投入を始めるべきだと主張している。同氏は、「私たちには、学生の間に、ロシア語を高いレベルで運用し、ウクライナ語を迅速に習得する潜在的予備の人材がいる。それは二重の優位となり得るものだ」と発言した。