クリミア占領政権「裁判所」、クリミア・タタール人代議機関幹部に17年の有罪判決
被占領下ウクライナ南部クリミアのロシア占領政権「裁判所」は21日、2021年に占領当局に拘束された先住民族クリミア・タタール人の代議機関「メジュリス」のナリマン・ジェリャル(ジェリャロフ)第一副代表とアフメトフ兄弟(アジズ、アサン)に対して有罪判決を言い渡した。
ジェリャル氏の配偶者であるレヴィザ氏がフェイスブック・アカウントにて伝えた。
同氏は、ジェリャル氏に対して、「裁判所」が厳格収容所への17年の収容と罰金70万ルーブル、さらに1年半の禁錮を言い渡したと伝えた。
また、アサン・アフメトフ氏に対しては15年の厳格収容所収容、罰金50万ルーブル、禁錮1年、アジズ・アフメトフ氏に対しては13年の厳格収容所収容、罰金50万ルーブル、禁錮1年の実刑判決が言い渡されたという。
これを受けて、同日クリミア自治共和国ウクライナ大統領常駐代表部は、ツイッター・アカウントにて、ロシアによる同3名ウクライナ国民の自由剥奪を非難する発表を行った。
同代表部はまた、「侵略国は、国際人道法のあらゆる規範を明らかに無視しているのであり、ロシア連邦がウクライナ領全域から占領軍を完全に撤退させるまで同国への制裁圧力を強め続けるべきだ」と指摘した。
さらに同代表部は、「私たちはまもなく私たちの全ての国民を解放し、クリミアに2つの旗、ウクライナ国旗とクリミア・タタール民族旗を掲げる」とも強調した。
これに先立ち13日、ウクライナ政権側のクリミア自治共和国・セヴァストーポリ検察は、ジェリャル氏に対する違法な刑事捜査へ関与したクリミアの露連邦保安庁の「捜査官」とシンフェローポリ「裁判所」の「裁判官」に対して、容疑を伝達したと発表していた。
2021年9月3、4日、被占領下ウクライナ領クリミアにて、ロシア占領機関当局が複数の先住民クリミア・タタール系住民の自宅で家宅捜索を行い、ナリマン・ジェリャル「メジュリス」第一副代表はじめ、計5名を拘束していた。その後、シンフェローポリ市では、この5名被拘束者の所在を把握しようと集まった住民約60名が占領機関治安当局に数時間にわたり拘束された(その後、2名を残し、残りは解放された)。
ロシア占領政権のシンフェローポリ氏キエフ地区裁判所は、ナリマン・ジェリャル・メジュリス第一副代表、アジズ・アフテモフ氏、アサン・アフテモフ氏に対して、拘禁措置を言い渡していた。
ゼレンシキー大統領は、同拘束につき、クリミア・プラットフォームの活動開始に対するロシアの反応であるとしつつ、被拘束者を速やかに解放するよう要求している。
本件につき、米国や欧州連合(EU)及び同加盟国は、ロシアを非難するメッセージを発出している。
写真:チュバロフ・メジュリス代表(フェイスブック)