ウクライナ全土で電力復旧 国民には節電を引き続き要請
ウクライナのティモシェンコ大統領府副長官は、14日の時点でウクライナの(政府が管理する)全地域において電力供給が復旧していると報告した。同時に同氏は、電力システムに過度の負荷をかけないように、電力使用量がピークとなる時間帯は節電をするよう呼びかけた。
ティモシェンコ副長官が記者会見を行った。
ティモシェンコ氏は、「エネルギー供給施設に対して繰り返し攻撃が行われているが、当局はそれを迅速に復旧し、修理している。現時点で、全地域で電力が供給されている。負荷がかかった場合は、電力システムの稼働に制限がかけられる可能性はある」と発言した。
同氏はまた、国民に対して、電力と暖房を賢く消費するよう呼びかけた。その際同氏は、それは電灯や電気器具を一日中消しておくことを意味するわけではないとし、「そうではなく、朝の8〜11時と夜の17〜23時に、よく考えて電力を消費するということだ」と説明した。
さらに同氏は、今週、ロシア軍の攻撃の主要な標的が重要インフラとウクライナ民間人であったことを喚起し、過去数日の停電は、ロシア軍の攻撃がエネルギー供給施設を損傷したからだと伝えた。
同氏は、エネルギーインフラが損傷したのは、ヴィンニツャ州、ドニプロペトロウシク州、ジトーミル州、イヴァノ=フランキウシク州であり、送電に障害が生じたのは、テルノーピリ州、キーウ州、リヴィウ州、ポルタヴァ州、スーミ州、ハルキウ州、フメリニツィキー州、キーウ市だと報告した。
加えて同氏は、電力は脱占領地にも戻しているとし、ハルキウ州イジュームにも送電されていることを確認したと伝えた。同時にハルキウ州の最近占領から解放された地域では、戦闘の被害により、11万6000世帯以上でまだ送電が復旧できていないとし、現在当局職員が問題解決を行っていると伝えた。
これに先立ち、10日、ロシア軍はウクライナ各地に大規模なミサイル攻撃を行った。その結果、複数のエネルギー施設が損傷し、各地で停電が発生、政権は国民に対して節電を呼びかけていた。