ロシア裁判所、クリミアで拘束の先住民に17年の有罪「判決」
ロシアの裁判所は30日、被占領下ウクライナ領クリミアで拘束した先住民クリミア・タタール人のマルレン・ムスタファイェフ氏に対して、「イスラム解放党」の活動を組織したとして、有罪「判決」と17年間の収容所への収容を言い渡した。
クリミアの市民記者ネットワーク「クリミアの連帯」が報告した。
発表には、「南部軍管区軍事裁判所がクリミア・タタール人のマルレン・ムスタファイェフ氏をビルヒルシクにおけるイスラム教系政党『イスラム解放党』の活動を組織した罪があるとする判決を下した」と書かれている。
ムスタファイェフ氏は、17年間の厳格収容所への収容、その内最初の3年間は投獄、そして解放後も1年間半は移動の自由の制限が課されるという。
これを受けて、ウクライナのジェパル(ジャパロヴァ)外務第一次官は、ツイッター・アカウントにて、パートナー国に対して、ウクライナ支持の立場によりムスタファイェフ氏が違法な「判決」を受けたことに関して、対露制裁を強化するよう呼びかけた。
ジェパル氏は、「ロシアはクリミア・タタール人に対する弾圧を続けている。マルレン・ムスタファイェフ氏は、活動家であり、2人の子供の父親であり、市民団体『クリミアの連帯』のメンバーであるが、その彼が今日、親ウクライナ的立場を理由に17年間の有罪判決を受けた。私たちは、パートナーたちに対して、その『判決』を非難し、ロシアへの制裁を強化するよう要請する。そうでなければ、ロシアは止まらない」と書き込んだ。
これに先立ち、ロシア連邦は、今年2月9日朝、被占領下ウクライナ領であるクリミアとセヴァストーポリの複数地域(シンフェローポリ地区、バフチサライ地区、ビロヒルシク地区、バラクラヴァ地区)にてクリミア・タタール系住民の自宅に家宅捜索を行っていた。
その際、「イスラム解放党」への関与の容疑で、マルレン・ムスタファイェフ氏、エルネスト・セイトスマノフ氏、アンサル・オスマノフ氏、アメトハン・アブドゥルヴァポフ氏が拘束されていた。
マルレン・ムスタファイェフ氏は、クリミア・ビロヒルシクの自動車整備士。拘束されるまでは、政治囚の「裁判」を訪れたり、集会に参加したり、クリミアで拘束される政治囚の家族をサポートしたりする活動を行っていたことが知られている。