ロシア偽情報、ウクライナのクリスマス特別列車を「電力不足が原因」と紹介

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ロシア連邦の報道機関は、ウクライナのクリスマス・新年に期間限定で運行している蒸気機関車につき、ウクライナの電力不足と関連付けて紹介した。

筆者:アンドリー・オレーニン

ロシアの大衆紙「モスコフスキー・コムスモレツ(MK)」などは、ウクライナの国鉄「ウクルザリズニツャ」社が古い蒸気機関車を乗客輸送のために大量に使用し始めた伝えている。これらのプロパガンダは、ウクライナの鉄道会社は、「停電により前世紀初めの技術」へと以降せざるを得なくなったと主張している。

実際、ウクルザリズニツャ社は確かに蒸気機関車の運行を行っているが、これはクリスマス・新年機関の特別運行である。冬季の祝日に、キーウ市内でレトロ機関車を運行するというもので、運行日程は12月24、25、31日と1月1、7、8日のみとなっている。

ロシアのプロパガンダメディアは、この蒸気機関車がウクライナのチェルニヒウ州をはじめとする各地で走っているとして、動画を公開している。

しかし、動画を見ると、映っているのはいずれも同じ番号「Э-799-18」のものであり、同じ車両であることがわかる。この車両は、ウクルザリズニツャ社の公式ウェブサイトでも写真が公開されている。

なお、キーウ市内の新年レトロ機関車の運行は、過去数年連続で行われているもの。2017年には、10月14日のウクライナ防衛者の日にも運行されていた。