被占領下ヘルソン州でロシアTV乗っ取り ゼレンシキー宇大統領の演説放送
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ウクライナ南部ヘルソン州のロシアが占領している地域にて、ロシアのテレビ放送が何らかの形で乗っ取られ、ゼレンシキー宇大統領の演説が流された。
6日、同州出身のバトゥーリン記者がフェイスブック・アカウントで被占領地に在住する住民の話を紹介した。
バトゥーリン氏は、「昨日、ヘルソン州被占領下地域のカホウカ地区にて、19時からロシアのテレビ局(占領者が3月末からウクライナのテレビに替えて始めたものだ)にて、約8回、ヴォロディーミル・ゼレンシキー・ウクライナ大統領の新年の演説を映した」と報告した。
同氏は、その被占領下在住の人による「どうやってロシアのチャンネルを壊したのかはわからないが、しかし私たちは幸せの極みだった。大統領の演説を繰り返し見ては泣いた。見る度に泣いていた。信じられないことだった! 私たちは、それを実現した人に感謝している!」との言葉を伝えた。
なお、2022年2月24日のロシアによる対ウクライナ全面侵攻が始まってから、ロシアは占領した地域での「メディア」を使ったプロパガンダ拡散を強化してきた。ヘルソン州では、プロパガンダテレビの調整役として、ロシアの政治技術屋として知られるアレクサンドル・メリケヴィチが任命されていた。
ゼレンシキー大統領は、2022年12月31日の年明けまで最後の約15分間に、恒例の国民向けの越年演説を行っていた。
写真:バトゥーリン記者(フェイスブック)