ロシアはウクライナ4州でクリミア占領後と同じ行動をとっている=国連監視団
国連ウクライナ人権監視団のベル団長は4日、ロシアは全面侵攻開始後に制圧したウクライナ領土でも、約10年前のクリミア占領後と同様の手法で、行政システムを変えていると報告した。
ベル国連ウクライナ人権監視団団長が2023年2月1日から7月31日の期間のウクライナにおける人権状況報告書のプレゼンテーションの際に発言した。
ベル氏は、「ロシア政権は、占領地にて、学校、選挙インフラ、病院、裁判所といった行政システムを徹底して固め、同時に、最近占領した地域でロシア国内法を導入している。このプロセスは、約10年前にクリミアで行われたことを思い出させるものだ」と発言した。
また同氏は、ロシア占領政権は、被占領地住民に、ロシア国籍証明書を取得する以外に方法がなくなるような形で行動していると指摘した。同氏は具体的に、ロシア国籍証明書を取得しない者は、失職の可能性が生じたり、医療や教育、社会保障などの基本サービスへのアクセスが制限されたりしていると説明した。さらには、通過検問地点にて長時間の検査や拘束されるリスクもあるという。
なお、ロシアは、9月はじめに、ウクライナ領ヘルソン州、ザポリッジャ州、ルハンシク州、ドネツィク州の占領地において偽選挙を行っていた。同時にこのいわゆる「選挙」と称するものは、日本を含む国際社会によって承認されていない。