戦時下でウクライナの表現の自由の水準は向上=野党国会議員
ウクライナ最高会議(国会)の野党会派「声党」に所属し、最高会議で表現の自由委員会の委員長を務めるヤロスラウ・ユルチシン議員は、国際的なメディア専門家の分析によれば、ウクライナの現在の表現の自由の水準は、2021年と比べて、著しく向上していることがわかっていると発言した。
ユルチシン議員がウクルインフォルムへのインタビュー時に発言した(リンク先はウクライナ語)。
ユルチシン氏は、「ウクライナの表現の自由の水準が戒厳令下で変化なしというわけにはいかなかった」と発言し、戦争とは何であれ情報空間を縮小させ、国家からの統制が大きくなるものだとした上で、「なぜなら、私たちの情報空間に敵を入り込ませてはいけないからだ」と強調した。
同時に同氏は、ロシアの全面侵攻開始から2年目、戦争自体は10年目となる中で、ウクライナでは「表現の自由の不在」ではなく、表現の自由がどれほど存在しているか、ということが議論されているとし、それは良い指標だと指摘した。
そして同氏は、「国際的なメディアの専門家がウクライナの表現の自由を測ったところ、驚くべきことに、その結果は、2021年と比較して、表現の自由の水準が向上していたのだ」と発言した。同氏は、そのような結果は「戦時下でウクライナは全てが検閲されている」とする批判に対するユニークな回答になっていると指摘した。
その際同氏は、「ウクライナはその問題にて肯定的なダイナミズムを示している。私は歴史家だが、同様のアプローチを示し得る事例はあまり挙げることができない」と発言した。
なお、2023年に発表された国際NGO「国境なき記者団」の世界の報道の自由に関する報告では、ウクライナは過去1年で順位を27上げて、79位となっている。