「支援があれば」ロシア侵攻を撃退できると考えるウクライナ国民、85%
ウクライナで実施された最新の世論調査によれば、ウクライナは「国際支援があれば」ロシアの侵攻を撃退できると考える人が85%と圧倒的多数に上ることがわかった。
レイティング社が2月10、11日に実施した世論調査の結果を発表した。
「ウクライナがロシアの侵攻を撃退できると、どれだけ確信しているか」との設問に対して、完全に確信ししているとの回答が42%、どちらかといえば確信しているとの回答が43%だった。また、どちらかといえば確信していないとの回答は10%、全く確信ししていないとの回答は5%だった。
同時に、「ウクライナが国際支援なく、単独でロシアの侵攻を撃退できる」との条件で確信につき尋ねると、完全に確信しているとの回答は5%、どちらといえば確信しているとの回答が14%と激減した。確信していないとの回答は、完全に、どちらかといえばを合わせて79%に上った。
レイティング社は、「勝利への確信の割合は大きく変わっていないが、半年間で『完全い確信している』との回答は現象した。(昨年)6月には勝利につき完全に確信していたのはウクライナ人の71%だったが、現在は42%。同時に、勝利を信じられていない人の割合が増えている(昨年6月は3%だったのが、現在は15%となっている)」と説明している。
年齢別には、年齢の高い層の方が勝利への絶対的確信が大きく、また家族が戦闘に参加している人もその割合が高い。18〜35歳の回答者の間では、勝利への確信は31%、51歳以上の間では50%だった。
また、国の情勢への評価に関する設問では、「正しい方向に向かっている」との回答は36%、「誤った方向に向かっている」との回答は45%だった。
レイティング社は、「ウクライナの情勢評価につき、2022年を通じて続いた肯定的な気持ちのピークは、下がり続けている。2022年3月以降初めて、否定的な国内情勢評価が肯定的な評価を超えた」と説明した。
また同設問でも、年齢の高い層の方が肯定的な見方をしている。51歳以上の回答者の間では情勢を肯定的に見ている回答が44%、否定的な回答が39%だったのに対し、最も若い層では肯定的な回答は27%にすぎなかった。
ウクライナについて考えた時に感じる感情を選択する設問では、最も多かったのが「誇り」で56%。続いて、悲しみが39%、恐怖が21%と続いた。レイティング社は、「一般傾向として、否定的な感情の高まりと楽観的気持ちの一定の低下が生じている。2022年8月は、75%の人が誇りを感じていたが、現在は56%である。他方、この感情は引き続き支配的である。また、2022年8月から2024年2月の間に、悲しみの感情(29%から39%)と恐怖(11%から21%)が上昇した」と説明している。
その上で、回答者の間では、ウクライナの戦争への勝利への確信/疑いは、肯定的/否定的感情への傾きと概して一致していると説明されている。例えば、勝利に確信があると考えている人の間では、国について「誇り」(64%)、「喜び」(12%)の感情が高く、勝利に疑いを抱いている人の間では、「悲しみ」(56%)、「恐怖」(25%)、「怒り」(18%)、「恥」(19%)が反対の層より回答が多かったという。
また、若い層では「悲しみ」(41%)、「怒り」(10%)が、高齢の層より多く、同時にウクライナの未来への「関心」(15%)も他の層より高かったという。
今回の世論調査は、レイティング社が2024年2月10、11日に一時的被占領下クリミア・ドンバス及び調査時にウクライナの携帯通信網のない地域を除くウクライナ全土でCATI方式で実施されたもので、回答者は1000人。理論的誤差は最大で3.1%だという。