映画「マリウポリの20日間」が米アカデミー賞受賞 ロシアの対ウクライナ侵略映す
米ロサンゼルスで開催された第96回アカデミー賞授賞式で、長編ドキュメンタリー映画賞にムスティスラウ・チェルノウ監督のドキュメンタリー映画「マリウポリの20日間」(邦題「実録 マリウポリの20日間」)が選ばれた。
ウクルインフォルムが伝える。
この映画は、ロシアの全面侵略初期にロシア軍により侵攻・包囲されたウクライナ東部ドネツィク州にてマリウポリの最初の20日間の状況を移したもの。同映画は、今回長編ドキュメンタリー映画賞の受賞の他、国際長編映画賞にもノミネートされていた(受賞は「関心領域」)。
映画「マリウポリの20日間」は、AP通信と米国のドキュメンタリー映画制作会社「フロントライン」の共同制作である。
授賞式を放送したウクライナの公共放送局「ススピーリネ」は、チェルノウ監督が式の際に、「これは史上初のウクライナの『オスカー』だ。私は、この映画が決して撮られることがなければ良かったのにと思っている。私は、このオスカーを、ロシアがウクライナに決して侵攻しない、私たちの街を占領しないことと交換できたら良かったのにと思っている」と発言した。
2022年当時に監督と共にマリウポリで活動を行っていた写真家のイェウヘン・マロリェトカ氏とプロデューサーのヴァシリサ・ステパネンコもステージに上がっていた。ススピーリネは、「これは、ウクライナの映画制作者が獲得した史上初の『オスカー』である」と説明している。
「マリウポリの20日間」予告編動画
今作品は、AP通信と米ドキュメンタリー動画制作団体「フロントライン」と共同制作。映像は、マリウポリがロシア軍に包囲された初期から撮影されている。また、写真家のイェウヘン・マロリェトコと記者・プロデューサーのヴァシリサ・ステパネンコも協力している。彼らはマリウポリでの活動でピューリッツァー賞を受賞している。
同映画は、今年2月には、英アカデミー賞(BAFTA)で「最優秀ドキュメンタリー映画」に選ばれている。
ウクライナでは、「シェウチェンコ賞」を受賞した。
ゼレンシキー宇大統領は、同映画につき、ロシアのプロパガンダに対抗する上で重要な役割を担うものだと指摘し、制作者に謝意を述べている。
日本では、NHKが放送した。