63%のウクライナ国民、ウクライナ正教会モスクワ聖庁の禁止を支持
ウクライナで実施された最新の世論調査の結果、83%の回答者が国家が何らかの形でウクライナ正教会モスクワ聖庁の活動に介入すべき(禁止または監視)であると考えていることがわかった。
キーウ国際社会学研究所が4月20日から25日にかけて実施した世論調査の結果を発表した。
その内、63%は同教会の完全な禁止を支持していると回答、20%は、同教会への国家のコントロールを確立し、完全な禁止ではなく、監視を行うというよりソフトなアプローチへの支持を示した。
12%の回答者は、教会への介入はすべきではなく、個別の違法事例にのみ捜査を行うことを支持した。
東部では76%、西部では85%、中部では86%のように、いずれの地域でも、国家による同教会への介入の支持が多く見られた。同時に、完全な禁止への支持は、南部で55%、東部で46%と西部の69%、中部の68%に比べて若干低い結果となった。
また、82%の回答者がウクライナ正教会モスクワ聖庁を全く信じないと回答。全ての地域で同回答が最も多かった(東部では73%、西部では88%)。同教会を信じているとの回答は全体の8%だった。
今回の世論調査「全ウクライナ世論調査『オムニブス』」は、キーウ国際社会学研究所が2024年4月20日から25日にかけてCATI方式で実施したもの。クリミア自治共和国を除くウクライナ全ての地域の住民1220人に対して、ランダム抽出で選ばれた携帯電話の番号をもとに質問したという。対象は、18歳以上の成人のウクライナ国民で、質問の際に、ウクライナ国内に居住している者であり、同時に、2022年2月24日までにウクライナ政権が管理していなかった地域(被占領下のクリミア自治共和国、セヴァストーポリ、ドネツィク・ルハンシク両州一部地域)に居住していた人物は含まれていないという。また、国外滞在中の国民も含まれていないとのこと。
理論的誤差は最大で±3.2%だと書かれている。また研究所は、戦争という条件下では上述の理論的誤差の他に、一定の体系的な偏差が加わるとしつつ、同時に、今回の調査はそれでも高い代表性が維持されており、世論の理想的な分析を可能にするものだとの見方を伝えている。