ロシアのクリミアでのプロパガンダはソ連のナラティブを踏襲している=歴史家
クリミア・タタール人の歴史家、フリナラ・アブドゥライェヴァ氏は、ロシアのクリミアにおけるプロパガンダは、クリミア・タタール人に関するソ連のナラティブを踏襲しながら、歴史を改ざんしていると発言した。
アブドゥライェヴァ氏がウクルインフォルムへのインタビュー時に発言した(リンク先はウクライナ語)。
アブドゥライェヴァ氏は、「クリミアで過去1年間非常に多くの、クリミア史に関する本が(編集注:ロシアによって)発行されていることを観察し、遺憾に思っている。マルジャニ研究所は1年間で少なくとも6〜8冊の本を印刷しており、それは非常に多い、なぜなら、それらはクリミアでもロシアでも読まれているからだ。しかし、それは、クリミアにはギリシャ人もイタリア人も他の民もいたというプロパガンダであり、他方でクリミア・タタール人については、先住民であることは触れずに、軽く触れられているだけだ。あたかも、クリミア・タタール人は13世紀にクリミアへやってきて、経済的に脆弱な国家を作り出し、オスマン帝国に従属していた、というような話だ。つまり、彼らは、丁寧に事実を選別し、少し別の味付けをしながら、しかし、50〜60年台の歴史家が行ったのと同じようなメッセージを出しているのだ」と発言した。
また同氏は、現在クリミアでは歴史が再び体系的に書き換えられていると指摘した。
同氏は、「またしてもだ。なぜなら、歴史は書き換えられてきているからだ。まず1783年の最初の占領の後に体系的に書き換えられたし、1944年のクリミア・タタール人の追放の後にも書き換えられた。今、同じことが行われている。プロパガンダシステムが機能している」と発言した。