ウクライナ新文化相、同省の3つの基本課題を説明

ウクライナのトチツィキー新文化・戦略的コミュニケーション相は9日、同省(旧「文化・情報政策省」)の3つの基本課題を説明した。

トチツィキー文化・戦略的コミュニケーション相がフォーラム「文化攻勢」の際に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

トチツィキー氏は、「今、私たちが集中的に取り組んでいる3つの基本要素がある。1つ目の課題は、ウクライナ語を含め、ウクライナの遺産を確かに保護することだ。それらは全て国家安全保障の問題の一部である。なぜなら、国家安全保障とは領土や建物だけのことではなく、私たちの遺産もだからであり、遺産とアイデンティティこそが侵略者が何世紀にもわたって破壊しようとしているものだからだ」と発言した。

また同氏は、第2の課題は、ウクライナ・アイデンティティを欧州空間に戻すことだとし、ウクライナ・アイデンティティとは他民族国家であるウクライナが作り出してきたものだと指摘した。

そして同氏は、第3の要素は「面白くて、その欧州文化と有機的に結びつく物を作り出すことだ」と発言した。

その上で同氏は、これらの要素の実現には1つの戦略を策定するだけではいけないとし、「文化に関しては、文化を邪魔しないことが大切だ。なぜなら、弾圧され、禁止され、シベリアに何十万人もの人が送られた最も困難な時期ですら、ウクライナ、私たちはいずれにせよ、そこで自らのアイデンティティを維持し、自らの文化を維持する努力をしてきたからだ」と発言した。

そして同氏は、才能のある人が創作の機会を与えられなかったソ連時代の傾向を打破することが重要だと指摘した。

その際同氏は、ウクライナの芸術が困難な時期でも発展できるようにするだけでなく、世界に示されていくようにするための前提条件を作り出す必要があると亞hつげんした。

なお、1日、ウクライナのトチツィキー新文化戦略的コミュニケーション相は1日、松田邦紀駐ウクライナ日本大使と北岡伸一国際協力機構(JICA)前理事長(現同特別顧問)と会談し、国際レベルでの戦略的コミュニケーションの発展と日本におけるウクライナ文化の振興について協議していた

トチツィキー氏は、9月5日に最高会議により文化・戦略的コミュニケーションに任命された職業外交官。2016年から2021年までは駐欧州連合(EU)ウクライナ代表兼駐ベルギー・ウクライナ大使を、2021年から2024年まで外務次官、2024年4月以降は大統領府副長官(外政担当)を務めてきた人物。