マリウポリには約10万人の市民が残っている=ゼレンシキー宇大統領
ウクルインフォルム
ウクライナのゼレンシキー大統領は22日、ロシア軍に包囲されるウクライナ東部マリウポリ市には、まだ約10万人の住民が食べ物や水のない状態で残っていると伝えた。
ゼレンシキー大統領が22日夜の動画メッセージにて発言した。
ゼレンシキー氏は、同日時点で完全に包囲されている同市に、食べ物も水も薬もない、常に砲撃・爆撃を受けるという非人間的な条件下に約10万人が置かれていると伝えた。その上で同氏は、ウクライナ政権はマリウポリ市民のための安定した人道回廊を組織しようと努力しているが、ほぼ全ての試みがロシア軍によって妨害され、攻撃を受けていると指摘した。
同氏は、22日には人道車列が、ロシア側と合意されたルート上であったにもかかわらず、占領者によって奪取されたことを喚起し、その際に国家非常事態庁職員と運転手が人質となったと伝え、ウクライナ側は人々の解放と人道解放の妨害解除のために全力を尽くしていると伝えた。
また同氏は、ギリシャ外相がマリウポリの人道回廊の作業を支持すると表明したことを紹介し、ギリシャ外相の考えが近々実現することを期待していると述べた。
なお、現在、ロシア侵略軍がウクライナ東部マリウポリを包囲し続けており、これにより同氏の人道状況が著しく悪化している。ウクライナ側が激しく抵抗する中で、ロシア軍は民間施設を爆撃し、民間人に多くの被害を出しており、また民間人避難のための人道回廊の開設を妨害している。マリウポリ市議会は、3月14日時点で同市の民間人死者数は2357人に上ると発表している。
ウクライナのアレストヴィチ大統領府長官顧問は18日、現時点でロシア軍による東部マリウポリ市の包囲を解除することは不可能だとし、ウクライナ政権は政治・外交的手段の作業をしていると発言した。
写真:Stringer, Anadolu Agency