ウクライナ中立化の国民投票はロシア軍が撤退してはじめて実施可能となる=ゼレンシキー宇大統領

ウクライナ中立化の国民投票はロシア軍が撤退してはじめて実施可能となる=ゼレンシキー宇大統領

ウクルインフォルム
ウクライナのゼレンシキー大統領は27日、安全の保証を伴うウクライナの中立化地位を問う国民投票は、ロシア軍が撤退してはじめて実現可能となり、そしてその後憲法改正が行われると発言した。

ゼレンシキー大統領がロシアの複数報道機関に対するインタビューの際に発言した

ゼレンシキー氏は、「安全の保証と中立、私たちの国の非核化地位。私たちは、これに進む準備がある。それが最も重要な項目だ。これがロシア連邦にとっての第一の原則的項目だった。(中略)そして、ウクライナでは必ず国民投票がなされなければならない。なぜか? なぜなら、私たちには国民投票法があるからだ。私たちはそれを採択した。何らかの地位の変化(編集注:の場合のため)だ。(中略)安全の保証は、憲法改正を必要とする。わかっているだろうか? 憲法改正だ。それは2会期である(編集注:ウクライナの憲法改正は、最高会議(国会)によって、改正案を過半数で予備採択した後、その会期の次以降の会期で3分の2以上の賛成をもって本採択する必要がある)」と発言した。

また同氏は、国民投票は憲法改正より早いステップであり、それを受けて中立地位と具体的な保証についての決定が採択できると発言した。

同氏は、「国民投票は数か月以内に実施される。憲法改正は、現行法に従えば、少なくとも1年かかる(編集注:本採択までに2会期必要なため)」と発言した。

また、ウクライナの中立化と同時に合意されることが想定されている複数の国が署名する「安全の保証」については、ブダペスト覚書のようなものであってはならないとし、「私たちは、その紙が真剣な合意になること、その合意に安全の保証の項目があり、その安全の全ての保証の署名がされることに関心がある。それは、保証国の国会において必ず批准されねばならない。それが2点目。そして、ウクライナで国民投票が必ずなされなければならない」と発言した。

さらに同氏は、ロシア軍が駐留している内は国民投票の実施は不可能だと強調した。同氏は、「条約の観点から、国土に軍、違法武装集団、あるいは外国合法集団が一切の法的根拠なく駐留していたら、誰も国民投票の結果を決して認めない。不可能だ。それはクリミアで行われたことだ(編集注:2014年3月のロシア軍の占領下で違法に行われたいわゆる『住民投票』のこと)。あれのどこが住民投票なのだ? 誰のためになり得るのだ? (中略)国民投票をやっても、後で誰も認めない。軍のプレゼンスのせいだ。それは違法プロセスである」と発言した。

またゼレンシキー氏は、ロシア軍のウクライナ領からの撤退のためには、プーチン露大統領との合意が必要だとの考えを示した。同氏は、「私たちのところに(ロシア)軍がいたら、(将来の)保証者は何にも署名しないだろう。(中略)ジョンソン、バイデン、ドゥダ、エルドアン? 軍が駐留している時に、誰が座って何かを話すというのだろうか。誰が署名をするというのか。(編集注:軍がいたら)何も生じない。不可能だ。だから、法改正を待ってはいけない。そのため、ロシア側が、まず法改正をして、それから戦車を撤退させようと(言う時は)、法改正の観点での政治的プロセスをよく理解していないということになる。そのため、私たちはロシア連邦大統領と合意しなければならないのだ」と発言した。

加えて同氏は、合意するには、プーチン露大統領がベラルーシ、ロシア、ウクライナ以外の世界のいずれかの地点へと会談のために訪れる必要があると指摘した。同氏は、「そのため、私たちが会う、私たちが彼と合意する、彼と私たちの合意、署名付、印入り、血でも良い。それで十分なのだ。軍の撤退プロセスを始めるには十分だ。軍は撤退せねばならない。そして、保証者が署名する。それで終わりだ。それでその先のことの全てが機能し始める。その後は、議会での批准、数か月後に国民投票、それから憲法改正だ」と発言した。

さらにゼレンシキー氏は、ロシア軍の撤退については「譲歩的領土までの撤退。それはつまり、2月24日、侵攻前までの状態。そこまで戻らせよう」と発言した。同氏は、「私は、ロシアを完全に領土から撤退させることが不可能であることは理解している。それは第三次世界大戦をもたらす。私はそれは全部よく理解しているし、認識している。だから、私はそれを譲歩と呼んでいる(編集注:ロシア軍に2月24日のラインまでの撤退を求めること)。始まったところまで戻りたまえ。それから、ドンバス問題の解決を試みようではないか。複雑なドンバス問題の」と発言した。

なお、ウクライナ国内法では、戒厳令下では、国民投票も地域住民投票も実施が禁止されている。

これに先立ち、ウクライナとロシアの和平協議にウクライナ代表団一員として参加するアラハミヤ最高会議(国会)議員は27日、次回の協議はトルコにて3月28〜30日に開催されると発表していた。

これに先立ち、2月24日のロシアによる対ウクライナ全面的侵略開始から、ウクライナとロシアの代表団は、2月28日、3月3日、3月7日、3月14、15日に協議を行っており、それ以降もオンラインで協議を続けている。

ポドリャク大統領府長官顧問は16日、ウクライナの将来の安全保障に関するコンセプトを説明し、ウクライナの安全の絶対的な保証が必要だと発言。また、ゼレンシキー大統領は17日、ロシアとの協議における優先課題は、戦争の終結、領土一体性の回復、安全保障だと発言した。イェルマーク大統領府長官は19日、ウクライナ人に最後通牒や降伏を求めても無駄であり、独立、領土一体性、主権に関してウクライナが譲歩することは決してないと発言している

写真:大統領府


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